2020年5月の水関連株式市場

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社マーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

5月の投資環境

5月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。世界の株式市場は、月半ばにかけては新型コロナウイルスの感染拡大を受けた都市封鎖からの経済活動再開の動きなどがプラス要因となった一方で、米中関係の悪化懸念や米新規失業保険申請件数やユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)など一部経済指標が景気悪化傾向を示したこと、新型コロナウイルスの感染拡大第2波への警戒などがマイナス要因となり、変動しながらも下落しました。月後半は経済活動再開の動きに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発についての期待が高まったこと、主要国の景気刺激策などを背景に月末にかけて上昇基調となり、月間でも上昇しました。

 

業種別では、情報技術、一般消費財・サービス、資本財・サービスなどが大きく上昇した一方、エネルギーが下落、生活必需品、公益事業などは相対的に小幅な上昇にとどまりました。

 

こうした中、水関連企業(現地通貨ベース)の株価は市場を上回る上昇となりました。装置製造・エンジニアリングセクターは、景気回復への期待を受け、景気見通しとの相関性が高い資本財や消費者関連銘柄が大きく上昇しました。また、反対に上下水道ビジネスセクターは景気見通しや経済活動再開等に対する感度が限定的であることから、上昇局面において上げ幅が限定的に留まりました。

 

装置製造・エンジニアリングセクターでは、フォーチュン・ブランド・ホーム&セキュリティに関して、競合他社が悲観的な業績見通しを発表する中、好調な四半期業績を発表したことや、業績見通しが市場のコンセンサスを上回ったことから株価が上昇しました。また、プールに関して、好調な四半期業績を発表したことに加え、同社の提供する製品やサービスに対する旺盛な需要や豊富な受注残高を背景に明るい業績見通しを発表した結果、株価が上昇しました。一方で、ザイレムは、第二四半期において、20-30%の減益を見込む等、業績見通しが大幅に悪化したことや景気敏感性が嫌気されたことを受け、株価が大きく下落しました。しかし、同社に対する長期的な見通しは変わらないと考えています。

 

上下水道ビジネスセクターでは、サンパウロ州基礎衛生公社に関して、ブラジルレアルが上昇に転じたことに加えて、世界的な経済活動再開や民営化及び衛生法案が今年度中に承認される見通しが保持され株価は上昇しました。また、カントン・インベストメントは、中国政府による香港国家安全法の導入が株価の重しとなり、軟調な動きとなりました。一方で、同社に対する長期的な投資事由は変わらないと考えています。また、アグアス・アンディーナスに関しては、一部に利益確定の売りが見られたことや、チリにおける干ばつの影響で低調な四半期業績を発表したことを受け、軟調な展開となりました。

 

円換算ベース、月次、期間:2010年5月末~2020年5月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)  出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2010年5月末~2020年5月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

月次、期間:2010年5月末~2020年5月末※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2010年5月末~2020年5月末※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

足元では、地政学的リスクや米国の金融政策に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大などマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。
 

 

※データは将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

※記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年5月の水関連株式市場』を参照)。

 

(2020年6月17日)

 

 

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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