流入超過額は3,000億ドル超
■3月の投信マネーは全体で+3,198億ドル(前月+856億ドル)でした。「MMF」が+7,227億ドル(同▲2億ドル)とかつてない大幅な流入超となりました。新型コロナウイルスの欧米での感染拡大で世界経済の後退懸念が一挙に強まったこと、主要産油国が原油の協調減産合意に至らず、原油価格が急落したこと、が背景です。「債券」は▲2,836億ドル(同+706億ドル)、「株式」は▲667億ドル(同+97億ドル)、「バランス」は▲570億ドル(同▲4億ドル)でした。
■債券ファンドは全地域で資金流出となりました。リスク回避が極端に強まったため、安全資産とみなされる国債ですら売却されました。また、原油価格が急落したため、石油関連企業が多いハイ・イールド社債市場からの資金流出も目立ちました。
株式ファンドは「先進国」よりも「新興国」を選好
■株式ファンドは「先進国」が▲553億ドル(同+134億ドル)、「新興国」が▲114億ドル(同▲37億ドル)でした。「先進国」は「グローバル」が▲243億ドル(同+217億ドル)、「北米」は▲217億ドル(同▲20億ドル)でした。「アジア(日本を含む)」は+49億ドル(同▲13億ドル)でした。
4月第1週は社債市場が一旦落ち着く
■世界景気の減速は4-6月も続く見通しですが、各国の金融・財政政策が下支えすると期待されます。米連邦準備制度理事会(FRB)が企業金融を支える政策を大胆に打ち出したことで、投資適格社債、ハイ・イールド社債など社債ファンドへの資金の流れは落ち着きをみせています。一部に新型コロナウイルスの感染鈍化がみられますが、新たに増加している国・地域もあり、収束にはまだ時間がかかると思われます。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大を睨む展開が続くと思われます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『世界の「投信マネー」(2020年3月)』を参照)。
(2020年4月14日)
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