軟骨の状態がひと目でわかる「3D解析システム」
◆自分のひざの痛みに関して、ある程度まとめておくことが大切
ひざ関節の音に加えて、危険因子AやBで当てはまる項目のあった人は、早急に医療機関で診断を受けましょう。
医療機関では、まず、問診と触診が行われます。痛みを感じ始めた時期、痛む場所、どんな痛みか、一日のうちでいつ痛みを強く感じるのか、痛みを感じない時期はいつなのか、などを問診で聞かれます。あらかじめメモなどにまとめておき明確に伝えられると、治療方針を立てやすくなります。また、骨や腱、筋肉の状態を確認する触診も行われます。痛みがあるときには遠慮せず伝えるようにしましょう。
◆レントゲンでグレード0~4に分類
必ず行われるのがX線検査です。骨が欠けていないか、変形していないかの確認と、大腿骨と脛骨の傾きからO脚やX脚などのチェックを行います。
写真①はレントゲン写真から判定した変形性膝関節症の進行状態です。正常をグレード0として、グレード4までの判別をします。しかし、患者さんがどのグレードまで進行してるのか、
整形外科は外来の患者さんが多く、丁寧な診察や説明をする時間がなかなか取りにくい実情があります。「変形性膝関節症です」と伝え、病気についての説明はパンフレットを手渡されるケースもあるでしょう。当院の患者さんから話を伺っていると「加齢のせいですね」と言われただけで、病名を知らない方もいらっしゃいます。ただ、診察のやりとりは、患者さんと医師との信頼関係を構築する重要な要素のひとつです。このことが、変形性膝関節症の治療をあきらめてしまう患者さんが多くいる現実にも関係しているように感じています。
◆3Dビジュアル化で患者ファーストの診断解析が可能に
X線検査はマストですが、実は変形性膝関節症の根本原因である「軟骨」はX線には写りません。また、半月板や靭帯の状態も痛みに関係する要素ですが、同じくX線では確認することができません。それらを確認するにはMRI検査を行います。ひざ関節を専門に診るような医療機関では、変形性膝関節症の検査でX線に加えてMRI撮影を行うところも増えてきているようです。
ひざ関節症クリニックでも、初診のときには必ずMRI画像も参考にするようにしています。ただ先にもお話したように、丁寧な説明も必要です。そこで銀座院では、MRIの最新解析システムを導入し、軟骨を3D画像としてビジュアル化(写真②)しています。これによって、治療前後の軟骨量や厚みの変化を視覚的、数量的に比較することができます(変形性膝関節症でMRI検査を重視する理由はこちら)。
X線写真や通常のMRI画像では「どこがどうなっているのか」患者さんにはわかりにくいと思いますが、3D画像であれば、患者さん自身もひざの状態を具体的に把握できます。「これ以上、軟骨がすりへれば、骨そのものにも影響が出る」ことが明確にわかり、積極的な治療への取り組みにもつながっているように感じます。
変形性膝関節症の積極的な治療としては、「PRP-FD注射」や「培養幹細胞治療」といった、再生医療をはじめとする先進的なものが注目を集めています。こうした先進的な治療にも、画像解析が大変役立っています。
ひざがギシギシ鳴る、痛みがある。ひざに違和感を覚えたら、ひざを専門に治療する医療機関で細かい検査を受け、自身のひざの状態を的確に把握するようにしてください。
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