ひざの音よって「変形性膝関節症」の危険度が異なる
◆ポキポキ音は気泡が弾ける音
ひざを曲げ伸ばしすると「ポキポキ」と音が鳴る人は少なくありません。悪い病気を予感させますが、ポキポキという音だけで痛みがなければ心配は不要です。クラッキング音と呼ばれるもので、原理は手の指の関節を自身でポキポキ鳴らすのと同じです。
関節は「関節液」という液体で満たされており、関節が動く際には関節液が軟骨を保護して摩擦が起きにくいようにしています。ところが、急に関節が動くと関節液の圧力が急激に変化し、空洞ができます。この空洞に溜まった気泡が弾けるときの音が「ポキポキ」という音だと考えられています。決定的な解明には至っていませんが、現段階では病気による音とは判断しませんので、治療は不要です。
ただし、気泡が弾けるのは、関節に大きな圧力がかかっている証拠。わざと鳴らすのはやめておいたほうがよいでしょう。
◆「ミシミシ」「ギシギシ」は注意が必要
痛みのない「ポキポキ」「パキパキ」という音はスルーして構いませんが、痛みが伴う場合や、「ミシミシ」「ギシギシ」といった何かがこすれるような音が聞こえる場合は、変形性膝関節症との関係を疑いましょう。
軟骨同士が触れ合って摩擦を起こしていると考えられます。放置しておくと、変形性膝関節症が悪化し、痛みが増し、ひざ関節の骨そのものにも変形が生じてしまいます。「ゴリッ」「ガリガリ」といった音の場合、軟骨がすでになくなってしまっている可能性も考えられます。
米国で行われた調査では、「ひざを動かした際にきしみを感じたり、音が鳴ったりすることがある」という人は、そうでない人に比べて、変形性膝関節症になる危険度が1.5~3倍になるという結果が出ています。痛みとともに骨がこすれるような音がした場合は、なるべく早く受診するようにしてください。
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