シャイで英語が苦手な富裕層親子の「シンガポール」留学

グローバル化が急速に進む中、海外で子どもの幼少期や初等、中等教育等の早い段階から英語環境におくことで、自然と英語を身につけさせたいと考える富裕層が増えている。中でも教育先進国のシンガポールで親子留学が注目を集めているという。本記事では、数多くの留学サポートを手がける株式会社アエルワールド代表取締役社長の大森健史氏が、シンガポール「親子」留学のメリットや教育システム等を紹介する。

シンガポールの教育環境は世界トップクラス

シンガポールは、「ガーデンシティ」や「グリーンシティ」などとも呼ばれ、整然と整備された緑豊かな都市です。

 

19世紀に東インド会社による中国インド間の貿易中継地点として繁栄し、マレー半島がイギリスから独立した後、マレーシア連邦から独立しシンガポールが設立しました。中国系やマレー系、インド系、インドネシア系、欧米人が混在し、まさに”人種のるつぼ”とも例えられる、多国籍な国です。

 

公用語は英語ですが、町中では中国語やマレー語タミル語も聞こえてきます。今後発展するアジアで英語に加え、アジア各国の言語も学べるのもシンガポール留学の魅力の一つです。

 

<シンガポール留学人気の理由>

1. 多国籍国家シンガポールで真の国際感覚を身につけられる

2.各国が注目する高い教育レベル

3.英語と中国語が同時に学べる環境

4.治安が良く、街が清潔

5.日本と近く、時差が少ない

 

シンガポールの教育事情ですが、現地の人々の教育に対する関心、教育水準は非常に高くなってます。シンガポールは国際的な学力調査(OECDのPISA調査 等)でも明らかなように、日本というより、世界と比較してもトップクラスの教育レベルを誇っています。

 

約20%もの国家予算を教育に投じているうえに、各家庭でも子どもへの教育投資を惜しみません。そのため、幼いころから試験や学力で進路が決まる環境にある学歴社会です。この高い教育レベルを求め、日本のみならず、世界中の子どもたちがシンガポールに学びにきています。

 

日本人の方の留学事情ですが、未就学年齢のお子さまでもビザを取得し、幼稚園に通園が可能です。無理なく自然に英語習得を図るためにイマージョン(immersion)教育法を取り入れています。もちろん英語だけでなく、母語である日本語教育も受け、日本人としてのアイデンティティーを確立させるやり方で、近年とても注目が集まっています。

 

今回は、この2月に実際に親子留学を選択されたお客様(お母様)Aさんから現地での生活な等についてお話を伺いました。この方は当初、日本のインターナショナルスクール受験のための半年間(入学条件に半年以上の海外滞在経験)という短期の留学予定でしたが、今はシンガポールの生活を気に入られて期間を延長されています。

 

「あっという間に英語がペラペラに」は幻想だった⁉

――まず留学を思い立った具体的なきっかけを教えてください。

 

「私自身、英語があまり話せません。このことに関して、人生の可能性を考えれば、正直いろいろな後悔がありました。そのような事情もあり、娘には言葉の壁がなく自由で多様な思考の中で育って欲しかったのです。そう思って受けた日本のインターナショナルスクールの受験では、年少・年長と2度とも不合格でした…。そして今回、受験の為に留学を決意するに至りました(入学条件に半年以上の海外滞在経験)。

 

当初カナダや、オーストラリアが良いかと計画していましたが、(自分の)仕事のタイミングと小学校入学までに日本にへ帰国するタイミングを逆算すると準備の時間はタイトでした。ビザの問題や現地エージェント、学校の対応をゆっくりと待つことが難しかったのです。今回シンガポールをご提案頂き渡航することになりました。入学までの対応の早さや教育水準の高さが決め手となりましたが、結果的にとても良かったと思っています」

 

――留学する前は「親子留学」についてどんなイメージがありましたか?

 

「単純に子どもの留学に親がついていく、というそのままのイメージでした。日本にいる時は、娘を幼稚園に通わせ、仕事で毎日夜8時まで幼児教室に預け、私自身、土日も仕事漬けの生活を続けていました。親子留学をきっかけに、これまでにはなかった家族の『密な時間』が持てるのではないかとも期待していました」

 

――実際に留学してお子さまが成長した点や変わった点はありますか?

 

「学校に慣れ、お友達ともすぐ仲良くなり、あっという間に英語がペラペラに!と勝手に想像していましたが…(苦笑)。実際は丸1か月はお友達ができなかったようで、暗い顔をして下を向いて帰宅する日も多くて…親子共々辛い時期でもありましたね。でも、2カ月目からは何人かお友達もできて、さらに3カ月目から耳が慣れたのか、話せないものの聞き取りがすごくできるようになりました。4カ月目の今は、単語や3語文くらいの言葉が出てくるようになっています。

 

娘はもともと恥ずかしがり屋で、初対面の人にはボソボソと下を向いて話すところがありました。ところが、海外ではボソボソ喋ると『what's?』と聞き返されて余計恥ずかしい気持ちになると気づいたようで、近頃では買い物の際、お金を渡して自分で注文させると、遠くにいる私の方まで声が聞こえるほど大きな声で話せるようになりました」

子どもの成長とともに親の考え方にも変化が⁉

――逆に留学してお母様が成長した、あるいは変化したことなどはありましたか?

 

「成長したといえるかは分かりませんが、子育てにおいて『子どもに大事にして欲しい軸』みたいなものは短期間ですが変わりました。『こうでなければいけない』とか『周りと合わせてほしい』という、いうなれば親の癖というか願望的なものが。『他の子もそうしてるからうちも…』みたいな、日本人的な子育ての常識から抜け出しつつあります。

 

例えば、初めての登校の日でした。『制服以外の持ち物は水筒のみ』という学校側からのざっくりとした指示がもう不安になって(笑)。日本なら『ストロータイプの紐付きのものでお願いします』とか細かい指示がありますよね。靴もなんとなく『運動靴が常識でしょ』と思いがちですが、子ども本人にとってクロックスがリラックスシューズならサンダルOKです。『貴重品などの大事なものを持ってこないで』みたいな禁止事項もあまりないですね。当然無くした時は自己責任ですが。

 

とはいえ、これまで親の私は日本の協調性ばかり求められる教育にどっぷりと浸かってきたので、周りのお子さんの様子を伺いたくなる癖を無くすのは本当に大変です。こちらで生活していると、これからを生きる子どもたちが世界で活躍する為に、自分の意見を持つ大切さをあらためて感じます。『どうしてこれが良いのか』を本人が説明できれば、自己責任のもとに何でも自由で良いんだな、と。日本と比較して一概にどちらがとはいい切れませんが、良い環境だなと感じています」

 

――今後、親子留学を検討している方へメッセージなどあればお願いします。

 

「シンガポールには主人、娘、私の家族3人で来ました。日本とは違う環境に触れることで、これまであった夫婦間の教育方針の違いの溝も少し埋められたように思います。また頼れる身内も近くに居ませんので、家族で協力することでより一層絆が強くなったように感じます。 私は平日語学学校に通いながら、自営業をしていますので毎日遠隔で電話やLINEでの業務内容のやりとりをしています(ご主人も同様)。

 

日本にいなくても時差がほとんど無い為あまり支障はありませんが、月に1度、主人と交代で3日間づつ仕事の為に帰国する生活をしております。当初は多少の戸惑いはあったものの、想像以上に海外生活をしながら、仕事と子育てを両立することができています。 渡航するなら成長期前の幼少期に行い、英語や違う環境への免疫をつけておきたいと思っていました。親子でできる留学は限られた時間なのかも知れませんので、少しでも希望があるのなら、短期でも迷わず行くことを今はおススメします」

株式会社アエルワールド 代表取締役

大学卒業後、国際証券株式会社(現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社し、個人・事業法人・財団法人等の資産運用のコンサルティング業務を担当。約4年間の資産運用コンサルティング業務を経て、留学・旅行業界に転職し、ビザ申請や海外生活設計のアドバイザー業務に携わる。2004年6月に家族・親子・退職者・会社経営者・投資家等のロングステイ、海外赴任者のサポート企業として株式会社アエルワールドを設立し、代表取締役に就任。現在までに1万人以上の海外移住や長期滞在に関する相談を担当。また投資家・資産家向けの海外生活コンサルティングにも精通し、グローバルに金融資産と居住生活をどうアロケーションするのか等、幅広い分野でお客様をサポート。

著者紹介

連載日本と違いに戸惑いも…「シンガポール」親子留学のリアル事情

  • シャイで英語が苦手な富裕層親子の「シンガポール」留学

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