金融庁の報告書『高齢社会における資産形成・管理』を発端とした、「老後資金2,000万円不足」問題が話題となるなど、近年、人々の「お金の不安」が顕在化しており、「資産形成」への興味・関心はますます高まっています。株や債券などの金融資産への投資や不動産投資など、さまざまな資産形成の方法が提唱されていますが、どれを選択するのが正解なのでしょう。本記事では、これまで累計100億円以上の不動産売買を手がけ、自らも不動産投資家として活躍する、コスモバンク株式会社代表取締役・穴澤勇人氏が、自らの経験や実例などを基に、初心者~中級者向けに資産形成方法として「不動産投資」が圧倒的に有利なワケを解説していきます。

これまでの「当たり前」が崩壊する

「年金だけでは老後資金が2000万円不足する」。

 

この6月に公表された金融庁の市場ワーキンググループの衝撃の報告書を巡り、国民的な議論が巻き起こりました。こちらに関してさまざまな意見が交わされましたが、ひとついえるのが「これまでの“当たり前”が明確に変わった」ということでしょう。

 

団塊世代くらいまで信じられてきた「当たり前」。簡単にいえば、良い会社に就職し、地道に頑張れば勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金が上昇し(年功序列)、定年まで勤め上げれば、潤沢な退職金と年金が約束され、老後は悠々自適な生活……という当たり前が崩壊しつつあるということです。

 

その他も、当たり前であった「結婚」は晩婚化・未婚化が進み(「少子高齢化」)、安定した正社員ではなく、不安定な「非正規雇用」が増えるとともに、「所得格差」は拡大の一途をたどっています。戦後の復興から高度成長期を経て、国民が「一億総中流」意識を持てた時代が終わりを告げたのです。

 

それに伴い「年金制度」は今後どのような経緯をたどるのでしょうか。「崩壊」までに至らなくとも、少なくとも「年金支給額の減額」、「年金受給開始年齢の引き上げ」は、ほぼ確実なこととして想定しておくべきでしょう。

 

ただ、これらを嘆いてばかりでは仕方ないので、現実を受け止め、現役バリバリで働いているうちに行動しましょう。2000万円どころか、3000万円必要ともいわれる老後資金の確保を、今から目指すのです。

米国株式市場に長期積立投資ならば安全か?

老後に備えた資産運用を考えたとき、どのような選択肢があるでしょうか?

 

よく手堅いといわれるのが、NISAやつみたてNISAをうまく活用しながら、金融資産に投資する方法です。毎月一定の額を買い増していく長期積立投資ならば、価格が下落する時期には安くなった分だけ多く買い増せるので、上がったり下がったりしながらも最終的には今よりも上がっていくだろうアセットを見出せるならば、非常に有効です。米国のダウ平均株価やS&P500などは最高値を今でも更新し続けており、今後も上がっていく前提でいる投資家も多いです。

 

とはいえ、現在市場は、米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱問題、破産危機が囁かれるドイツ銀行、世界的な金利低下、リスク時に安全資産と呼ばれる金価格の上昇……など、世界的恐慌の前ぶれなのではないか?と思ってしまうような状況に陥っています。

 

いくら長期積立投資ならばマーケットの上昇や下降は関係ない(むしろ望ましい)といっても、底が見えないくらい暴落していったら、元本が戻る保証はありません。世界経済の減速懸念が強まるなか、財産の大半を金融資産で持ち続けるリスクは大きいと筆者は考えます。

不動産投資は本当に「ローリスク」なのか?

不動産投資は、リスクが比較的低く、長期的に安定収入が得られる「ローリスクミドルリターン」な資産運用といわれます。筆者もこの業界のプロフェッショナルとしての視点でいわせていただければ、「サラリーマンが老後を考えるならば、不動産投資以外はないだろう!」と思っています。

 

例えばデフレになって所有している不動産の価格が下がったとしても、実はあまり問題ではありません。なぜなら、収益不動産の部屋の「賃料」は基本的に大きく下がらないからです(インフレ時も同様)。タイムリーに価格が変動する株式投資のように、家賃が連動して乱高下することがないのです。株の値動きに比べて不動産の価格と賃料の下落は少なく、投資対象として安定しています。

 

また、株式投資等では、銀行の融資を受け資金を調達することはできませんが、不動産投資の場合は、自分の保有する資産の数倍のお金を銀行から借りることができます(レバレッジ)。さらに土地値(※)に近い物件を持っていればリスクも小さく、毎月将来のための積み立てが可能になります。この「レバレッジがかけられる」ということが不動産投資の大きなメリットです。

※ 土地の値段。老朽化した建物を評価せず、「土地だけ」を評価した売買価格設定のこと。

 

原資は銀行、返済はその物件の入居者ですから、その差額が老後資金として積みあがります。しっかりとした物件選びさえできれば、失敗の少ない投資となるところが、「ローリスク」といわれる所以なのです。

 

「ローリスク」とはいえ、当然成功している人ばかりではありません。残念ながら、不動産投資で失敗する人も存在しますが、その方々には共通の特徴があります。

 

●自己資金も貯めず、フルローンで投資を行おうとする人

 

●年収や金融資産等から、身の丈にあわない金額の借り入れをしてしまう人

 

この2つのパターンです。正直、数千万円、数億円の買い物をするのに、例えば頭金500万円も貯めることができない人は不動産投資、経営をするレベルにありません。

 

貯金が100万円にも満たない人が、エビデンスを偽造して何億円もの借入をしたり、以前まかり通っていた「1法人1物件スキーム」で銀行に自らの借入を隠し、物件を取得していたりする例はありますが、そういった人たちが、今後返済に窮し、破産するケースはたくさん出てくるでしょう。

4、5年でほぼ確実に「自分年金」をつくる資産形成術

本来の不動産投資とは、自己資金を1、2割入れながら、住宅ローンと同じ3,000万円前後の1棟アパートを購入するパターンが王道です。さらに物件もコツコツ増やせば、老後、「毎月の年金とは別に20万円の不労所得を得る」という生活の実現はさほど難しくはありません。おおよそ、4、5年もあれば確実に実現できる資産形成術なのです。

 

最後に、私が提唱している不動産投資の成功率を究極的に高める3つのポイントをあげてみたいと思います。(2)、(3)のスキームに関しては、次回以降詳細を解説していきます。

 

(1)年金とは別に「何歳から、毎月老後資金がいくら欲しいか」決める

 

毎月の必要な生活費から逆算して、自分がいくらの物件を利回りどの位で購入すればよいかをはっきりさせます。当たり前なことのようですが、案外、実行している人は少ないです。登山でもそうですが自分が登る山をしっかり決め、それにあった設備や準備をしないと、「富士山をTシャツ短パンで登りに行く」ような失敗となってしまいます。不動産投資も同じです。この部分をしっかり準備すれば、失敗する確率はほぼなくなります。

 

(2)「中古アパートで築20年以上の物件」を選ぶ

 

新築アパートと比較して購入費用を抑えることができのはもちろん、築20年以上経過していれば、家賃下落の幅が少なくリスクも限定的になります。ただ、ここでの一番のポイントは「耐用年数切れの木造アパート」で最短4年で減価償却を取るということです。

 

例えばリフォーム費用などを含めた建物の取得金額が3,000万円だったとすると、4年間にわたって750万円ずつ費用計上することができるわけです。このように、減価償却期間の短縮によって1年当たりの費用計上を大きく出すことができ、税金面においてもメリットが発生するのが中古不動産投資の魅力です(建物比率が大きく関係しますが、詳細は次回以降に解説します)。

 

現役で働いている間は、住民税や所得税などかなりの金額が引かれます。特に年収が1000万円以上の人の税金で引かれる額は多くなります。家賃からもたらされるキャッシュフローと、運用期間中の減価償却による税メリット、併せ技でうまく運用すれば、数百万円の現金が手元に残ります。

 

(3)「土地値」に近い物件を選ぶ

 

土地値に近い物件であればいつでも売却が可能になるので、借入をしていてもリスクは限定的です。考え方にもよりますが、金融資産が潤沢な人ほど「利回りよりも土地値」を意識して購入していく方がよいでしょう。

 

以上3つのポイントを意識すればリスクもかなり抑えられ、ほぼ確実に4、5年で「自分年金」をつくることができます。

 

これまでの「当たり前」が通用しなくなってきたのは冒頭でお話した通りです。今後は、個人に委ねられる資産形成に関して、ある程度の金融リテラシー、必要な知識を身に着けることが「当たり前」の世の中になっていくのかもしれません。

 

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