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4-6月期GDPは+6.2%
市場の予想通りながら過去最低
■中国国家統計局は15日、主要経済指標を発表しました。19年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.2%と、前期から減速しました。市場の予想通りでしたが、統計を遡れる1992年以降で最低となりました。内訳をみると、4-6月期は内需中心に景気が下振れしました。米中貿易摩擦の影響で輸出が減速し、内需に波及したとみられます。
実質GDP成長率
1~6月は生産、投資減速
消費も力強さ欠く
■19年1~6月の鉱工業生産は前年同期比+6.0%と、1~3月の同+6.5%から減速しました。販売が低迷する自動車の生産や米国による追加関税の影響から産業用ロボットなどの生産が振るいませんでした。
■1~6月の固定資産投資も前年同期比+5.8%となり、1~3月の同+6.3%から伸び率が縮小しました。内訳をみると、製造業の投資が減速しています。また、インフラ投資は1~6月に同+4.1%と低い伸びでした。
■1~6月の小売売上高は前年同期比+8.4%と、1~3月の同+8.3%から小幅に伸びましたが、9%台だった前年からの鈍化傾向は続いています。
固定資産投資、鉱工業生産、小売売上高
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中国政府は景気対策を継続
■6月末に米中首脳会談が行われ、両国首脳は米中協議を再開することで合意し、両国間の報復合戦で緊張がさらに高まるという最悪の事態を回避しました。ただし、現段階では、米中協議の不透明感が強く、中国の景気センチメントはすぐには改善しないと思われます。米中貿易摩擦がこのまま継続すれば、景気に下押し圧力がかかるため、中国政府は19年の成長率目標「6.0~6.5%」の達成に向けて景気対策を継続し、景気失速を回避させるとみられます。
(2019年7月16日)
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