GDPの変化 ①人口増加 ②経済効率向上
GDPは1年間に一国内で生産されたモノ(最終財)とサービスの価値の合計であり、言い換えると儲けの合計です。国民1人当たりの稼ぎ(1人当たりGDP)が変わらなくても、その国の人口が2倍になれば、国全体のGDPは2倍に増えます。また、経済効率が向上し国民1人当たりの稼ぎが増えれば、国全体のGDPは増えます。
GDPの変化 ①人口増加
国民1人当たりの稼ぎが変わらなくても、その国の人口が2倍になれば、国全体のGDPは2倍に増えます。
前回(関連記事『実践的基礎知識 マクロ経済編(1)<GDPとは>』参照)に引き続きバナナ共和国を例に見てみます(図表1)。
漁師のAさん、魚屋のBさん、定食屋のCさん、米屋のDさんが暮らすL村しかなかったバナナ共和国の人口が2倍になり、もう1つ村、M村が出来ました。漁師のWさん、魚屋のXさん、定食屋のYさん、米屋のZさんの4人の村です。この国は、交通の便が悪いため、もともとあったL村と新しくできたM村の2つの村は行き来が出来ません。その結果、効率が悪いことに同じような村が2つできてしまいました。
漁師のAさんもWさんも魚を20匹釣って単価100円で売っています。魚屋のBさんとXさん、定食屋のCさんとYさん、米屋のDさんとZさんも別々の村で同じ経済活動を行っています。
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元々のバナナ共和国のGDPは15,000円、人口4人、1人当たりGDP3,750円でした。バナナ共和国の人口が2倍になり、全く同じ経済活動を行う村がもう1つ出来たことでGDPは2倍の30,000円になりました。
その結果、この国は他の国から30,000円分のものを買えるくらい大きくなりました。しかし、1人1人の豊かさは以前と全く変わっていません。1人当たりGDPは30,000円÷8人=3,750円で各人が自由に好きな買い物が出来るのは平均3,750円のままです。
このように、人口が増えれば、1人当たりの稼ぎや、各人の豊かさは変わらなくても、国全体のGDPは増えます。同じように、人口が減れば、1人当たりの稼ぎや、各人の豊かさは変わらなくても、国全体のGDPは減ることになります。
GDPの変化② 経済効率向上
経済の効率が上がり、経済活動が活発になることで1人当たりのGDPが増えれば、人口が増えなくても国全体のGDPは増えます。
バナナ共和国ではインフラ整備が進み、2つの村を結ぶ道が出来ました。魚屋も米屋も1軒で済むようになり、魚屋と米屋の売り上げは2倍(単価は変わらず)になりました(図表2)。一方、たまにはパンと肉を食べたいという国民のニーズを捉えた新しい商売が生まれました(M村の人は商売を変えました)。
経済の効率が上がり、経済活動が活発になったため、バナナ共和国のGDPは30,000円からさらに増え55,500円になりました。また、経済効率が上がったことで人々はより多くの付加価値を生み出せるようになり、1人当たりGDPは55,500円÷8人=6,937.5円となり、各人が自由に好きな買い物が出来るのは平均6,937.5円と豊かになりました。
人口が増えなくても、1人当たりの稼ぎが増えれば、国全体のGDPは増えます。また、各人の豊かさも増し、各人が多くの富を手にし、より多くのものを買えるようになります。
当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『実践的基礎知識 マクロ経済編(2)<GDPの変化 ①人口増加 ②経済効率向上>』を参照)。
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