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3市場ともに年初来で上昇
高い利回りを求めて資金が流入
■5月21日時点までのアジア・オセアニアのリート市場は、年初来でシンガポールが+12.3%、香港が+22.7%、オーストラリアが+16.8%と3市場ともに上昇しています。
■リートの魅力の一つは、相対的に高い配当利回りです。世界的に金融政策が緩和方向へシフトし、金利が低位で推移すると見られる中、アジア・オセアニアリートの相対的に高い配当利回りを求めて資金流入が続いていると考えられます。
各国・地域の騰落率

(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
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堅実な利益と配当の成長
大規模開発により市場拡大続く
■経済成長が続くアジア・オセアニア地域では、新規物件取得による成長や賃料上昇による業績拡大が期待されます。例えば、シンガポールでは、政府主導の都市計画により、大規模施設の開発が続くと見込まれており、不動産市場の拡大によるリートの成長が期待できます。
■また、香港では最大手リートが、香港の物件を高値で売り、中国本土の物件を買って香港以上の賃料上昇の恩恵を受けるという事業戦略を進めています。今後、中国本土の物件を増やしていくと見られ、賃料上昇による収益拡大と、高い分配金成長が期待できます。
各国・地域のリートの配当利回りと国債利回り

(注2)リートはS&P先進国REIT指数の主な国・地域指数。国債はBloomberg L.P.の10年国債利回り。
(出所)FactSet、 Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
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堅調な業績や高い利回りが評価され、引き続き選好されよう
■足もとの米中貿易摩擦の再燃による影響から、アジア・オセアニア経済は一時的には鈍化する可能性がありますが、今後も高い経済成長は続くと見られます。金利が低位で推移すると予想される中、アジア・オセアニアリートは高い利回りやリートの持つディフェンシブ性から引き続き選好されると見られます。特に、オーストラリアでは、オーストラリア準備銀行(中央銀行)による早期の利下げ観測が高まっており、リート市場には追い風となりそうです。
(2019年5月22日)
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2019年5月10日 リート市場の振り返り(2019年4月)
2019年4月24日 アジア・オセアニアのリート市場(2019年4月)