中小企業経営承継円滑化法による納税猶予は、最終的にどんな取扱いになるのでしょうか。本稿で見ていきましょう。

状況を考慮して「納税猶予をやめる」という判断も

中小企業経営承継円滑化法による「相続税の納税猶予」は、後継者が次の代に事業承継するときも、そのまま継続して納税猶予の適用を受けます。やはり、いったん走り出したら、どこまでいっても止まれないのです。
 
止まることができる、すなわち納税猶予されていた相続税の全部または一部の納付が免除されるのは、次の場合だけです。
 
①後継者が死亡したとき
②会社が破産または特別清算したとき
③自社株価の時価が猶予税額を下回っているときに、株式を全部譲渡したときは、時価を超える猶予税額のみを免除
④次の後継者に自社株式を贈与し、その後継者が「贈与税の納税猶予の特例」の適用を受けるとき

 
このなかで③は納税も伴いますが、会社や後継者などの状況も考慮して納税猶予を止めるほうがいいと判断したら、実行に移してもいいでしょう。

「贈与税の納税猶予」では課税時の取扱いにも注意

最後に「贈与税の納税猶予」の活用では、非上場株式の贈与税は、相続時精算課税制度ではなく暦年贈与によって課税額が決められます。また、後継者が自社株式の3分の2超の株式等の贈与を受ける場合で、納税猶予を使わないときは、株式は相続時精算課税制度を利用することができます。

いずれにせよ、中小企業経営承継円滑化法による納税猶予を活用するにあたっては、制度の内容を十分に把握したうえで取り組みたいところです。

 

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