「配当利回り3%以上」の銘柄は500以上もある
近年、日本企業の配当金は、好調な業績を受け、増加傾向にあります。また、株主重視の考えが強まっていることも追い風となり、2018年3月期には前期比15.8%増、総額8.8兆円もの配当金が支払われています(※1)。
このように配当金が増加する中で、預金の金利は日銀のマイナス金利導入もあり、極めて低水準です。普通預金では、100万円を10年間預けたとしても、利息はたったの100円程度です。一方、東証一部上場企業の平均配当利回りは約1.8%(2019年3月時点)であり(※2)、仮にこの配当水準の株式を100万円分保有すると、1年間の配当金は約18,000円(税引前)にもなります。さらに、一般的に高配当とされる「配当利回り3%以上」の銘柄は500以上あり、そのような銘柄を保有していれば、さらに多くの配当金を受け取ることができます。
このように高配当銘柄への注目がますます高まっていますが、ここでは「銘柄選びのポイント」「高配当銘柄一覧」をご紹介します。
(※1)出所:東京証券取引所「2018年度3月期決算短信集計【連結】《合計》
(※2)出所:東京証券取引所「株式平均利回り(2019年3月)」
高配当銘柄を選ぶ…注意すべき「2つのポイント」
配当銘柄を選ぶ際には、発行会社の業績悪化により配当が減額されることや無配当となるおそれがあることに注意が必要です。そのため、ただ単に配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、配当の状況や収益の安定性を考慮したうえで、銘柄を選定することが重要です。具体的なポイントとしては、以下の2点が挙げられます。
① いわゆる「タコ配」銘柄を避ける
利益を上回る額を配当するには、企業が蓄えた剰余金を取り崩す必要があり、長期にわたって継続することはできません。「1株配当額」が「1株利益」を上回る状態が続いている銘柄は注意した方がよいでしょう。
② 過去の配当を確認する
業績の変動が大きな銘柄では、直近の配当金がたまたま高額だった可能性があります。また、記念配当など一時的に配当金を増額している場合もあります。過去の配当を確認し、継続して同水準の配当を行っているか確認しましょう。
今から探す!6月権利確定の高配当利回り銘柄10選
6月は、3月末決算銘柄に次いで数が多い12月末決算銘柄の中間配当の権利確定月であるため、高配当銘柄を比較的多く探すことができます。今回は、「1株配当<1株利益」「時価総額700億円以上」の銘柄に絞り、配当利回りの高い順に、ランキング形式で高配当利回り銘柄を紹介します。
今回紹介する10銘柄はすべて、一般的に高配当とされる「配当利回り3%以上」の水準を上回っています。特に、上位5銘柄は配当利回りが4%を超えており、配当面での魅力が非常に大きい銘柄です。また、時価総額が3兆円を超える超大型株や、10万円前後と比較的安価に購入できる銘柄もランクインしており、初心者の方にも必見です。
さらに、1位の「日本たばこ産業」、8位の「ヤマハ発動機」、10位の「DIC」は、配当に加え、株主優待を得ることもできます。例えば「日本たばこ産業」の場合、カップ麺やご飯など、日常で使用する商品がもらえます。このように、配当金に加え優待商品をもらえる魅力的な銘柄もありますので、注目してはいかがでしょうか。
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配当銘柄を買うには? 〜配当権利の取得方法〜
配当金を受け取るには、「権利確定日」に株主である必要があります。ただし、株式は買付してから受け渡されるまで3営業日かかるため、実際には「権利付最終日」(権利確定日の3営業日前)までに株式を買付し、保有していなければなりません。配当狙いで株を購入する際には、必ずスケジュールを確認しておきましょう。
2019年6月末が権利確定日の場合
6/25(火):権利付最終日
この日までに現物株式を買付すれば、株主の権利が得られる!
6/26(水):権利落ち日
この日になれば売却しても権利がなくならない。
6/28(金):権利確定日
株主としての権利が確定!
権利落ち日の株価は下落しやすい
権利付最終日の翌営業日の「権利落ち日」は、配当金や株主優待の価値の分だけ、株価が下落する傾向があります。権利付最終日に購入して保有していれば、配当を受け取ることができますが、その分株価が下落するリスクがあることに注意しましょう。
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注意事項
・本記事は個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
・配当利回り(分配金利回り)は、配当金(分配金)や株価の動きによって、変動します。
・最低投資金額は、2019年4月9日の終値に単元株数をかけた金額です。