M&Aの前に確認しておく点としてもっとも大切なのが、事業内容が関連法令を遵守しているかどうかです。特に「安心・安全」に関わるような事業分野は要注意です。 ここでは、どんな点に気をつけるべきかについてご紹介します。

法律や法令の基準とマッチしているか

前項でご紹介した、不動産や在庫、売掛金などの不良資産以外にも、確認しておくべき点があります。それは「事業内容が関連法令を遵守しているか」ということです。

特に「安心・安全」に関わるような事業分野は要注意です。 
 
薬事法や食品衛生法は医薬品や食品の店舗販売だけでなく、食品や雑貨の輸入などにも付いて回ります。例えば、乳幼児が口にする可能性のある玩具類などは、食品衛生法の定めをクリアした有害物質を含まないものでなければ販売できません。大量に契約した(している)商品は問題ないでしょうか? 

諸法規を丁寧に調べ、漏れのない対応を

また既に述べたように少子高齢化を意識したM&Aが今後は増えそうです。介護施設の場合、高齢者一人当たりに必要なスタッフの人数や必要な面積はクリアしているでしょうか。

非常時に避難・誘導するための建物内の動線はどうでしょうか。スプリンクラーや消火器、火災報知機の設置も含めて、建築基準法や消防法などの諸法規をていねいに調べる必要があります。 
 
いざM&Aの交渉という段になって、それらを指摘されないためにも、まずは保有する資産に不備がないかよく把握したうえで、事前に修理や対策を施すなどの措置を取っておきたいところです。 

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録