法律や法令の基準とマッチしているか
前項でご紹介した、不動産や在庫、売掛金などの不良資産以外にも、確認しておくべき点があります。それは「事業内容が関連法令を遵守しているか」ということです。
特に「安心・安全」に関わるような事業分野は要注意です。
薬事法や食品衛生法は医薬品や食品の店舗販売だけでなく、食品や雑貨の輸入などにも付いて回ります。例えば、乳幼児が口にする可能性のある玩具類などは、食品衛生法の定めをクリアした有害物質を含まないものでなければ販売できません。大量に契約した(している)商品は問題ないでしょうか?
諸法規を丁寧に調べ、漏れのない対応を
また既に述べたように少子高齢化を意識したM&Aが今後は増えそうです。介護施設の場合、高齢者一人当たりに必要なスタッフの人数や必要な面積はクリアしているでしょうか。
非常時に避難・誘導するための建物内の動線はどうでしょうか。スプリンクラーや消火器、火災報知機の設置も含めて、建築基準法や消防法などの諸法規をていねいに調べる必要があります。
いざM&Aの交渉という段になって、それらを指摘されないためにも、まずは保有する資産に不備がないかよく把握したうえで、事前に修理や対策を施すなどの措置を取っておきたいところです。