「よい買い手」と「あまり好ましくない買い手」
とがある

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「よい買い手」と「あまり好ましくない買い手」 とがある

交渉相手は、すべてが売り手の価値を正当に評価してくれる「よい買い手」とは限りません。 ここでは、M&A後もさらなる発展を遂げるための、よい買い手の見極め方についてご説明します。

交渉は「よい相手」と

後継者不在でやむを得ず会社を売ろうとするオーナー社長にとって、買い手企業の本音は気になるところでしょう。 
 適正な価格で買ってもらえるかという問題はもちろんのこと、M&A後の従業員の処遇についても心配になるはずです。 
 
そこで、第一に「よい買い手」と「好ましくない買い手」とがいることを理解し、良い買い手と交渉を持つことが大切です。 
 
ズバリ、M&Aの「よい買い手」とは、売り手の価値を正当に評価してくれる会社です。 
 それに加えて、統合によるシナジー効果をしっかりと先読みしている。 
 こういう姿勢の買い手なら、M&A後も会社はさらなる発展を遂げるでしょう。

アドバイザーは買い手の情報を大量にストック

通常、M&Aのセミナーなどが開催されると、会場に集まる8割は「買いたい」という人たちです。 
 
つまり、それだけ買い手が多い状況であれば、相応の価値がある会社には、適正な価格と買い手がつくということです。 
 
M&Aのアドバイザーは、これら買い手の情報を常に収集・ストックしており、売り手の希望を聞きながら最適なマッチングを行っているわけです。 
 
同時に優秀なアドバイザーは、企業間の“結婚”後の様子にも目を光らせています。 
 
そして、例えば、買収先の従業員に対して過酷な処遇を強いたり、悪い噂がたったりしているような買い手はマークしておき、要注意先などとしています。 
 
オーナー社長が会社を売ろうとする場合、アドバイザーに頼らず独力で探すだけだと、このようなあまり好ましくない買い手に、自身の大事な会社を売ってしまうこともあります。 
 
M&Aコンサルティング会社のアドバイザーなど、買い手の情報収集力に秀でた専門家に相談することで、より多くの情報を入手できます。 
 
M&Aでは、売り手は生涯1回のみのことが多い反面、買い手は何度もM&Aを経験していることがあります。それだけに、売り手側には周到な準備が必要なのです。 

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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