不動産投資におけるitinの意味について解説します。

itinとは

itinとはindividual taxpayer identification numberの略で、日本語では個人納税者番号と訳されます。アメリカ合衆国の不動産に投資し、確定申告等の税務を行う際に使われる番号です。収益が出て納税義務が発生した場合はもちろん、源泉徴収分に係る還付申告の際にも使われます。

 

アメリカで確定申告事務を行う時は、必ずTax IDと呼ばれる納税者を特定するための番号が必要になります。通常、アメリカ国内で経済活動をしている人であれば、国籍に関わらずssn(social security number=社会保障番号)を取得します。アメリカ国民であれば、出生届の提出時に交付されます。ssnを持っている人は、この番号をそのままTax IDとして使用し、申告を行うことができます。

 

しかしアメリカ国外に在住している人は、ssnを取得する機会がありません。そこで、ssnに代わる個人識別番号として発行されるのがitinです。

 

なお、itinは個人に対してのみ交付されるものです。法人に対しては、ein(employer identification number=米国連邦納税者番号)という別の制度が存在します。

 

itinの取得方法

itinを取得するには、irs(internal revenue service=アメリカ合衆国内国歳入庁)に対して番号の交付申請を行います。具体的には、Form W-7(米国個人納税者番号申請書)と呼ばれる書類にパスポートの認証やその他必要書類を添えて提出します。

 

添付書類についてはケースバイケースですが、irsでは乱用を避けるため不必要な番号の払い出しを制限しているので、itinを必要とする(不動産投資に係る確定申告等の)理由を書面によって説明することになります。

 

パスポートの認証は、在日アメリカ大使館・領事館で受け付けています。認証時にはパスポートの原本が必要となりますが、申請は代理人が行うことも可能です。

 

Form W-7の書式は、irsのホームページからダウンロードすることができます。申請書を提出してからitinが発行されるまでの期間は、通常は7週間前後です。

 

なお、アメリカで税の申告を行う場合は、原則として連邦政府と州政府の両方に書類を提出する必要があります。そのため、州によってはitinの他に州独自の納税者番号を取得しなければならないケースがあります。反対に、タックス・ヘイブンが設けられている一部の州では州政府への申告自体が不要となります。

 

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