アメリカで人気の不動産検索サイト「zillow」について解説します。

zillowとは

zillow(ジロウ)は、不動産情報を検索できるWebサイト、及びそれを運営するアメリカの企業です。2006年にシアトルを根拠地として、元マイクロソフト社員であるルロイド・フリンクとリッチ・バートンによって設立されました。

 

同社のサイトで販売されている広告権から利益を得ており、2009年の自社製不動産検索エンジン導入に伴ってパートナーシップ契約を結んだ新聞社の他、ブランドサイトや不動産業者にも分配されています。

 

2014年には、同業種の「Trulia(トゥルーリア)」を買収することで、全米における不動産検索サイト市場でシェアNo.1となりました。

 

zillowの特徴

投資対象として自宅が取引されることも少なくないアメリカにおいて、1億件を超える不動産データを保有するzillowは、自宅の評価額の変動や将来値上がりが期待できる物件の検索などに重宝されています。その中には、売買されていない物件の情報に加え、現在の不動産価格だけでなく過去の推移も閲覧できる他、高精細な航空写真や近隣の類似物件、具体的な間取り・内装なども入手することができます。また、改装などによって想定価格が変化した際もすぐに反映されますし、不動産を売りたい人が物件の登録や購入希望者を募ることも可能です。2009年からは賃貸物件を検索するサービスも導入するなど、消費者のニーズに応える運営がなされています。

 

zillowの掲載データの中には、「Make Me Move」と書かれているものがあります。この不動産の持ち主は基本的には売る気はありませんが、ある金額以上なら考えても良い、というオークションのような機能です。これは、本来は売る気のない不動産所有者に売買への興味を持たせ、従来では生まれないような取引を成り立たせることを見込んでのものです。

 

zillowが提供する見積もり「Zestimate」

アメリカでは、不動産に関する分析データを比較的簡単に手に入れることができます。これに対し、zillowも独自に不動産の想定価格を算出・公開しており、この見積もりをZestimate(ゼスティメイト、zillowに「見積もり」を意味するestimateをかけた造語)と呼びます。あくまで推定なので、その地域で公開されている情報量によって正確性も異なりますが、アメリカにおける不動産取引の判断基準にもなるなど多大な影響力を持っています。具体的には、Zestimateより見積もりが高額の物件は状態が良いとされ、逆に低いとその物件の状態はあまり良くないとされているのです。

 

 

いずれにしても、これらの情報を正確に理解するためには、ある程度の不動産に関する知識と英語力が必要です。裏を返せば、それらが十分に備わっていれば、日本からでもアメリカの不動産情報を容易に入手することが可能となるでしょう。

 

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