不動産投資におけるエスクローの意味について解説します。

エスクローとは

エスクローとは、日本では近年、インターネットオークションなどで聴かれるようになった言葉です。その語源はフランス語の“escroue”で、「巻物」を意味する言葉でした。

これがイギリスの上流階級の間で「権利譲渡証書」の意味で使われるようになりました。さらにアメリカでは不動産や証券取引の用語となったのです。

 

インターネットオークションでは、オークションサイトの運営者が出品者と落札者の間に立ち、取引を管理することをエスクローサービスと呼んでいます。

 

具体的には、落札者が支払った代金を一旦運営者が預かり、商品が届けられ、その内容の確認が済んだのちに出品者に渡すといったものです。

これにより、代金を支払ったのに商品が届けられない、あるいは商品を送付したのに代金が支払われないなどのトラブルを、未然に防ぐことが可能になります。

日本の不動産取引におけるエスクローの現状とは

"日本では不動産取引のために、関係者が揃うことに困難がありません。そのため所有権の移転や代金の決済、物件の引き渡しはすべて同時に行われることが慣例となっています。

 

このような事情から、取引は不動産会社が仲介し、司法書士がその法律面でのサポートを行ってきたのです。つまり、エスクローに当たるサービスはこれまで日本には存在しませんでした。

しかし近年では、インターネットの発達とともに、不動産会社を介さない、個人間取引を検討する人も増えています。個人間取引の場合、不動産会社を介さないため手数料がかかりません。また消費税が発生しないため、売主買主双方にとって金銭的なメリットがあります。

 

ただし、契約書や重要事項説明書の作成などを完璧に行うためには、専門的な知識が必要です。少しでも不備がある場合、住宅ローンの審査に通ることはありません。加えて、物件に問題(瑕疵)が発見された場合に発生する瑕疵担保責任などの問題もあります。

 

日本で不動産の個人間取引が発達するためには、専門知識とノウハウを兼ね備えたエスクロー・エージェントの登場が、まず必要なのです。

 

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