M&Aでは、情報収集や準備に努めていれば、外部環境の変化にも先んじて対応することができます。 ここでは、契約がブレイクしてしまった例とともに、アドバイザーに対してどのような視点をもっておくべきかについてご説明します。

独力だけでは成功が難しいM&A

M&A(第三者への事業承継)のことを、「千三つ」とたとえる人もいます。 
 
千三つとは、鉱業などでよく使われる言葉ですが、資源が出ると思って掘ってみても、実際に宝の山に出くわすのは、1000に3つ程度の確率しかない、という意味です。 
 
M&Aの世界でも、事情は似ています。第三者に頼らずに独力で行おうとすると「千三つ」に近い状況かもしれません。 
 
けれども、信頼できるM&Aコンサルティング会社のアドバイザーが関わることで、成約の可能性はグンと高まり、事業承継の客観的な選択肢となるのです。

売買タイミングもアドバイザーとよく相談

アドバイザーは、M&Aの情報収集力や経験に長けています。売買金額や自社にふさわしい買い手選びだけでなく、売買のタイミングについてもよく相談することをお勧めします。 
 
優秀なアドバイザーがついていて、情報収集や準備に遺漏なく努めていれば、外部環境の変化にも先んじて対応することができます。 
 
一例ですが、ある地方で伝統的な胃腸用の伝承薬(一般用医薬品)を扱っていた会社が、独力で会社売却の手続きを進めていたことがあります。 
 
ところが、2009年6月から改正薬事法が全面施行され、それまで電話やインターネット等で注文を受けて通信販売が可能だった伝承薬が、対面でしか販売できなくなることが発表されました。 
 
販路が限られることに杞憂を抱いた買い手が及び腰になり、検討は中断となってしまったのです。 
 
法令等の変化がブレイクの原因になった例ですが、先にも記したとおり、自社に関連しそうな関連業法や外部環境の変化にはよく注意を払い、最適な売買タイミングを考えるようにしなければなりません。 

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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