シンガポールのコンサル企業による「メガポリス」計画
「メガポリス」――これは大都市あるいは都会を意味する単語だが、スリランカでは2015年8月の総選挙をきっかけにして、突如全国民に広がり、ついにはメガポリス担当の閣僚まで誕生した。
統一国民戦線党(UNFGG)はこの選挙のマニフェストにおいて、スリランカ西部州を「南アジアで一番魅力的なメガポリス」にすると宣言した。政権を握った今、UNFGG党はその公約を実現したいと考えているだろう。
正確に言えば、この提言は以前にもなされていた。初めてこの計画が浮上したのは今から10年以上も前で、ラニル・ウィクラマシンハ首相の前の任期中のことだ。当時の計画は、住宅開発事業をコンサルティングするシンガポール国営企業のCESMA International社(現サバーナ社)が手掛けた。
この度復活したメガポリス計画は、おそらく以前の内容に近いものになるだろう。そして新政府は、この計画を新政府による政策の目玉に据えようとしているように思える。
計画の全容はいまだ不明だが・・・
しかし、現時点で公にされている情報は限られている。2015年9月14日時点では、コロンボが位置しスリランカの政治・経済の中心である西部州の都市開発を担う「西部州メガポリス計画プロジェクト (WRMPP)」の公式サイト(http://wrmpp.gov.lk)は依然工事中だ。(10月22日に公開)
それにもかかわらず、同プロジェクトのFacebookページ(www.facebook.com/wrmpp)では、7月16日付の投稿で「アイデアや意見を募集」している。一体何についてコメントすればいいのだろうか。都市の再活性化は全方位的に着手できるものではない。何かに特化する必要があるだろう。
同Facebookページの別の投稿によると、WRMPPのヴィジョンは「スリランカ西部州を最も活気があり住みやすいコスモポリタン主義のスマートシティにする」ことらしい(このステートメントは一部であり、全文には更に45単語が続く。ヴィジョンにしてはあまりにも長すぎる)。どうやらこのプロジェクトにはまだブラッシュアップする余地がありそうだ。
次回は、スリランカにおける都市問題についてご説明します。