基本合意契約が済んだあとは、デューデリジェンスを乗り切ることが目標となります。ここでは、アドバイザーと準備をすすめる際に気をつけるべき点についてご紹介します。

事前の聴き取りと準備が大切

ここでは、幾度か触れてきた「デューデリジェンス」(買収監査)についてまとめておきます。

デューデリジェンスとは、売り手の資産内容や法律などで定められた資料の管理状況などを実際に確認し、精査する手続きのことです。

通常は、買い手の担当社員がその任にあたり、必要に応じて顧問弁護士や会計士、税理士などを引き連れて、売り手のオフィスや工場を訪れます。

 

備えあれば患いなしというわけで、基本合意契約が済めば、デューデリジェンスを問題なく乗り切るために、アドバイザーと密に相談し、怠りなく準備をすすめましょう。

 

買い手企業が主に何を知りたがっているのか、調べたがっているのかを、アドバイザーに事前に聴き取ってもらい、確認リストのようなかたちにまとめてもらうのがスムーズな手法です。

先方の希望がわかった段階で、リストに沿って必要な書類や帳簿、実物などの準備・整理にかかります。当日になって「書類がない」「どこにあるのかわからない」というのでは困ります。

例えば、書類や議事録、在庫など紛失したり、存在していなかったりするものは、「何が、なぜないのか」まで明確にして準備しておきましょう。

財務担当や弁護士も同席させ、正直に回答を

準備と整理が終わり、いよいよデューデリジェンスの当日を迎えます。

オーナー社長とアドバイザーの関係と同様、デューデリジェンスにあたっては、買い手に対しても隠し事をせずに、正直に話すことが必要です。

自社の財務担当をはじめ、弁護士なども同席させ、正直な回答を出すように心がけます。

 

デューデリジェンスが終わったあとで事実との相違が発覚すると、売り手が意図的に重要情報を隠していたということになり、交渉ブレイクや売買金額の大きな低下といった問題になりかねません。

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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