アドバイザー主導で交渉がスタートすると、双方の希望を聞きながら、アドバイザーがきめ細かい調整を繰り返し、話を進めていきます。ここでは、具体的な進行はどのようになるのか、どんな点に注意を払うべきなのかについてご説明します。

アドバイザーを信頼して交渉を任せる

交渉がスタートした場合、初期の注意としては、オーナー社長は表に出ず、アドバイザーにすべてを任せることが良策です。そのためにも、経験豊富で信頼のおけるアドバイザーを選ぶことがまずは重要になります。

結婚の縁談と同じで、最初は仲人さんにすべてを任せてニュートラルな立場・視点から話の土俵をつくってもらうのです。

 

下記のフローにあるSTEP3の「トップ面談」で、一般には初めて買い手企業の社長と面談します。

このときは、ホテルのロビーなど公の場ではなく、アドバイザーのオフィス、もしくは売り手・買い手のいずれかのオフィスなど、情報が漏洩することのない環境で面談することが一般的です。

 

M&Aコンサルティング会社の初動3つのステップ

STEP1マーケティング
M&Aの対象企業の調査と選定
買い手に関する情報収集と提供

STEP2戦略策定・提案
株価評価
スケジュールの作成
戦略の立案とスキームの策定

STEP3交渉開始
トップ面談のセッティングなど
M&Aに向けて、契約書のドラフト提案
交渉の立会いおよびデューデリジェンスのアドバイス

 

必要なのは「お見合い」に至るまでの密な打ち合わせ

この段階までに、大まかな希望条件などなどはアドバイザーが調整・伝達しています。

トップ面談では、金額の話よりも、各々の会社の理念や、社員教育の方針などを話し合います。お互いの人柄や経営に対するスタンスなどを確認する「お見合い」のような場と思えばよいでしょう。

 

もちろん会ってみた結果、この相手には「売りたくない」、逆に相手も「買いたくない」という結果になることもあります。

 

逆に言えば、この「お見合い」に至るまでに、オーナー社長とアドバイザーの間では密な連絡・相談が必要です。

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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