[連載]提言/課税の3原則「簡素」「中立」「公平」に立ち返れ

いよいよ10月に実現する消費増税。残念ながら議論は尽くされたとはいえず、課税当局の「取れるところから取る」という姿勢がここにも透けて見える。その一方、当然課税対象となっている、各種国際機関に勤務した者が退職後に受ける年金、国際機関に預けた資金から得ている運用益の多くが申告されていないという、不公正な現実もある。課税の原則「簡素・中立・公平」はどうなっているのか。元財務省官僚が課税に対する国の姿勢を憂う。

本連載の著者紹介

1976年、大蔵省入省。1990年、アジア開発銀行理事代理、2000年、香港理工大学中国商業センター客員研究員。2003年、アジア開発銀行研究所総務部長、2006年以降、財務省神戸税関長、財務省財務総合政策研究所次長、財務省大臣官房政策評価審議官、2010年から大和総研常務理事等の要職を歴任。2015〜21年、香港の日本ウェルス(NWB)独立取締役。一橋大学卒。香港中文大学普通話課程修了。

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