事業と直接関係なくても「必要経費」にできるのか?

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事業と直接関係なくても「必要経費」にできるのか?

商社やマスコミといった業界以外でも、「交際費」は認められるのでしょうか。今回は、事業と関係ない経費が必要経費になるかを扱った判例について見ていきます。

弁護士に「交際費」は必要なのか?

交際費というと、何となく総合商社やマスコミで使われる経費というイメージがありますが、実は弁護士などの堅い職業の人でも必要になるケースはあります。実際に、弁護士の交際費をめぐって裁判になっている事例もあるのです。


それは、「弁護士会の役員等を務めた弁護士が、役員活動に伴って支出した懇親会等の支出が弁護士としての業務推進において、必要な経費かどうか」が争われた裁判です。原告の弁護士は、「弁護士の事業を遂行する上で必要な経費である」として税務署に申告したところ、税務署から更正処分を受けたわけです。

必要なら業務に関係なくても「経費」になる!?

その処分取り消しを求めた裁判で、東京高裁は「(弁護士会の役員活動が)弁護士として活動する上で必要であれば、直接業務に関係なくても必要経費として認める」という画期的な判決を出しました。 
 
東京地裁の一審判決では、「事業所得を生ずべき業務に直接関係して支出された費用ではない」として、弁護士の主張を退けています。弁護士会活動は弁護活動とは直接関係ないから、懇親会の飲み食いは必要経費として認めないと判断したのです。 
 
その点について、東京高裁の二審判決では、「弁護士会の役員活動として支出したものであれば、弁護士としての事業に必要であり、懇親会などの費用も必要経費として認められる」と逆転勝訴の判決を出したのです。ただし、2次会などの過大な必要経費は取り消されています。 

 

 

本連載は、2012年12月19日刊行の書籍『スゴい「節税」』から抜粋したものです。その後の税制改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

スゴい「節税」

スゴい「節税」

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

増税、デフレ、円高不況…。中小企業が日本の厳しい経済環境を乗り切るには、いかに売上を伸ばすかということ以上に、今ある利益をいかに残すかに注目することが必要でした。その解決策は節税にアリ。「日々の交際費でコツコツ…

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