(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の生活に備え、現役時代から貯蓄を続けてきた人もいるでしょう。しかしいざ年金中心の生活になると、毎月給与が入っていたころとはお金に対する感覚が変わることもあります。将来への備えは必要ですが、貯めてきたお金を「いつ、何に使うのか」も、老後の家計では考えたいところです。

「元気なうちに行けてよかった」北海道旅行で変わったこと

夫の言葉をきっかけに、2人は老後のお金を改めて整理しました。

 

これまでも貯蓄額は把握していました。しかし、そのうちどの程度を今後の楽しみに使えるのかを具体的に考えたことはありませんでした。

 

総務省『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月平均の実収入が25万4,395円、可処分所得は22万1,544円。一方、消費支出は26万3,979円で、可処分所得を4万2,434円上回っています。平均的な家計でも、年金などの収入の範囲だけで消費支出をすべて賄っているとは限りません。

 

和子さん夫婦の場合、公的年金は月約22万円です。家計を確認すると、普段の生活費はおおむね年金収入の範囲に収まっていました。

 

ただし、自宅は築25年以上。今後、給湯器や外壁、水回りなどにまとまった費用がかかる可能性があります。さらに、医療や介護にどれほどのお金が必要になるかは分かりません。

 

そこで夫婦は、貯蓄をただ「減らさない」ことを目標にするのではなく、まず住宅修繕など今後想定される支出に備える資金を分けて考えることにしました。

 

そのうえで、旅行や外食などにも年間の予算を設けます。

 

最初から生活を大きく変えたわけではありません。北海道旅行には行く。年に1、2回は夫婦で旅行する。友人との食事も、金額だけを理由に断らない。

 

「節約をやめたわけじゃないんです。必要だと思う節約は今もしています。ただ、『使わないほうがいい』から考え始めるのをやめました」

 

北海道から帰ったあと、和子さんは銀行の残高を確認しました。

 

当然、旅行に使った分だけ減っています。以前なら、その数字を見て後悔したかもしれません。しかし、そのときは違いました。

 

「15万円減ったことより、元気なうちに2人で行けたことのほうが大きいと思えたんです」

 

老後にいくら必要なのかは、世帯によって異なります。貯蓄3,800万円があれば安心とも、年金月22万円なら不足するとも一律にはいえません。住居費や毎月の支出、今後の医療・介護費などを踏まえて考える必要があります。

 

一方、将来への不安だけを理由に支出を抑え続ければ、貯めてきたお金を使える時期を逃す可能性もあります。

 

「いくら残すか」だけでなく、「何に使いたいのか」「いくらなら使えるのか」まで考えること。老後資金を準備することと同じように、その使い方を決めておくことも、退職後の家計を考えるうえで大切なのかもしれません。

 

【関連記事】

■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧