──ボフッ!!
司祭補「騙すようなことをしちゃってごめんなさいね」
女騎士「私たちはかまいません。……ですが、頭取さんの様子が……」
頭取「も、申し訳ございませんっ!!」ガバッ
司祭補「あらあら、頭を上げてくださいな」
頭取「滅相もございません! よもや司祭補さまだとは気づかず、あのような無礼の数々──! 精霊教会にいくらでも寄付いたします! どうかお目こぼしください!」
司祭補「お金は要りませんわ」
頭取「そんな……。では、命で償えと……?」ジワッ
司祭補「それも結構です。変身して正体を隠していたのはわたしのほうですもの。どんな不敬な態度もお許ししますわ」
頭取「ご、ご慈悲に感謝いたします!」
司祭補「ですが、仲介業者の件は諦めてくださいな」
財務大臣「司祭補さま、よろしいのですか!? 港町銀行は不良債権も多く、職員同士の情報伝達も不充分で──」
司祭補「あらあら、まあまあ。カン違いしないでくださいな」
財務大臣「か、カン違い……?」
司祭補「わたしは帝都銀行が信用できないから、仲介を依頼しないのではありません。そちらのお2人が信用できるからこそ、ぜひ仲介をお願いしたいと考えているのです」
財務大臣「し、しかしながら……」
司祭補「それとも大臣さん。あなたには帝都銀行が仲介業者に選ばれないと困る事情でもあるのかしらぁ?」
財務大臣「ぐっ……」
ショタ王「大臣、どうした? 顔が青いぞ」
財務大臣「い、いえ……別に……」
ショタ王「国債購入の仲介をどこに依頼するかは、精霊教会が決めることだ。司祭補さまが港町銀行を選んだのだから、それでいいだろう?」
財務大臣「お、おっしゃる通りです……」
頭取「う……ううっ……」ジワワ~
司祭補「では、今後ともよろしくお願いしますわぁ」
女騎士・黒エルフ「「はい!」」
ショタ王「さてと、これで話はまとまったな。またしてもぼくが事態を丸く収めてしまった!」
財務大臣「さ、さすがは機略縦横たる国王陛下……みごとなご采配でした……」
黒エルフ「はぁ? あんた何にもしてないじゃない」
女騎士「こら! 口を慎め!」
ショタ王「あはは! やはりお前たちは愉快だ!」