「気づいたときにはもう」…崩れていく生活と取り戻せない感覚
異変に気づいたのは、通帳の残高を確認したときでした。
「こんなに減っているのか、と…さすがに焦りました」
数年の間に、数百万円単位で資産が減少していたのです。
それでも、すぐにやめることはできませんでした。
「取り戻そうと思ってしまったんです。ここでやめたら、全部無駄になる気がして」
この心理は、多くのギャンブル依存に共通するものです。損失を回収しようとする行動が、さらに損失を拡大させる悪循環に陥ります。
さらに、生活リズムにも変化が生じていました。外出の頻度が増え、家にいる時間が減り、食生活も乱れがちに。家族との会話も減っていきます。
「妻には心配されました。“最近、様子がおかしい”って。今思えば、退屈だったんでしょうね。でも、その埋め方を間違えた」
最終的に藤井さんは、家族の勧めもあり、利用頻度を大きく減らしました。完全にやめることはできていないものの、「使う金額」と「時間」を厳しく制限するようにしています。
「もっと早く気づくべきでした。でも、あのときは止まれなかった」
現在は、地域のボランティア活動に参加し、生活のリズムを立て直しつつあります。
「人と関わる時間が増えて、少しずつ変わってきた気がします」
老後の生活は、「お金があるかどうか」だけで決まるものではありません。時間の使い方や、人との関わり方が大きく影響します。余裕のある老後だからこそ、その使い方が問われるのです。
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