役職定年で仕事への意欲が落ち、起業の夢が芽生える
サトルさん(60歳)は、大学卒業後、大手電気メーカーに就職。新製品の開発や営業に携わってやりがいを感じていましたが、50代で役職定年になると、仕事へのモチベーションがガックリ落ちてしまいました。
そんな折、偶然、会社の近くにハンバーグ店がオープンし、連日大盛況に。でも、サトルさんには特別おいしいとは思えません。
実はサトルさんは料理好きで、特にハンバーグは家族全員から絶賛されて自信の一品なのです。
自宅に遊びに来たことがある後輩からも、「先輩のハンバーグのほうがおいしい」と言われて、すっかり気をよくしたサトルさんは、在職中に、食品衛生責任者の資格を取得。
退職が近づくと、自宅の一角をハンバーグ店に改装しました。そして、60歳の退職と同時に、ハンバーグ店を開店したのです。
退職金1,000万円を投じるも、閑古鳥が鳴く毎日
でも、競争の激しい飲食店の世界で、素人のサトルさんの店がうまくいくほど甘くはありません。
当初こそ近所の人や友人などが来てくれてそれなりの賑わいがありましたが、SNSに「味が日によって違う」「できるまで1時間も待たされた」などの批評も出て、3ヵ月もたつと1日数人客が来ればいいほうに。
妻のサトミさん(60歳)の表情が日々暗くなるのを横目で見ながら、「退職金を1,000万円も投資したのに…」と頭を抱える毎日です。
アドバイス
飲食店に限らず、店を開業するには、経験と技術、他店と差別化できる強み、SNSを使った集客などが必要です。まずは他の店で働きながら、料理の腕を磨いて自分のハンバーグの味を確立し、接客技術や、経営ノウハウなどを学ぶべきでした。最初に「開業ありき」は失敗のもとです。
