(※写真はイメージです/PIXTA)

日本は現在、フィジーと租税条約を締結しています。 しかし、フィジーはタックスヘイブンではなく、経済規模も大きくない国であるため、「なぜ日本とフィジーのあいだに租税条約があるのか」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。そこで本記事では、日本とフィジーのあいだで租税条約が成立した歴史的な経緯と、その背景にある"ある国との歴史的なつながり”について解説します。

日本とフィジーのあいだに租税条約がある理由

フィジーは正式名称を「フィジー共和国」といい、パプアニューギニアやソロモン諸島と並び、南太平洋のメラネシア地域に位置しています。国土の広さは日本の四国とほぼ同程度で、人口は約90万人。1970年に英国から独立しました。

 

観光業と砂糖産業が主要産業で、法人税率は20%と、いわゆるタックスヘイブンには該当しません。

 

こうした事情を踏まえると、日本がなぜ太平洋の島嶼[とうしょ]国であるフィジーと租税条約を締結しているのか、その理由に疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれません。

日本とフィジーの租税条約の基礎となっている「日英租税条約」

英国やオランダ、ベルギーなど海外領土を有する国々は、租税条約を締結する際、相手国との条約の適用範囲を自国の海外領土にまで拡大できる規定を設ける例がよくみられます。

 

日本とフィジーの租税条約も、もともとは日英租税条約が基礎となっており、その適用が拡大された結果として成立したものです。

 

現行の日英租税条約は第3次条約であり、原条約から次のような変遷をたどっています。

 

1.原条約:1962年(昭和37年)署名、1963年(昭和38年)発効

2.第2次条約:1969年(昭和44年)署名、1970年(昭和45年)発効

3.第3次条約:2006年(平成18年)2月署名、同年10月発効

 

適用拡大に関しては、原条約第22条および第2次条約第28条に規定が置かれていました。

 

そして、1970(昭和45年)に公布された「連合王国が国際関係について責任を負っている若干の地域に対する租税条約の適用に関する書簡の交換の告示」により、①英領バージン諸島、②フィジー、③モントセラト、④セーシェルの4地域に対して租税条約の適用が拡大されました。

 

この4地域のうち、フィジーを除く3地域はいずれも著名なタックスヘイブンとして知られています。

 

タックスヘイブン3地域は適用終了…残されたフィジー

フィジーを除くタックスヘイブン地域で実際に租税回避が行われていたかどうかは、必ずしも明らかではありません。しかし、これら3地域については、以下のとおり租税条約の適用がすでに終了しています。

 

・セーシェルに対する適用終了(1982(昭和57)年12月21日告示)

・英領バージン諸島およびモントセラトに対する同条約の適用終了の通告(2000(平成12)年6月21日告示)

 

この結果、1970(昭和45年)の告示に基づく適用地域のうち、フィジーのみが残ることになりました。

 

もっとも、フィジーについては、第6条(親子間配当10%、一般配当15%)および第7条(利子10%)の規定は適用されません。つまり、配当および利子に関する限度税率は設けられておらず、使用料(第8条)についてのみ限度税率10%が適用される仕組みとなっています。

 

 

矢内 一好

国際課税研究所

首席研究員

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