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知らぬ間に高額請求…高齢者を狙う巧妙な手口
独立行政法人国民生活センター『2024年度 全国の消費生活相談の状況 -PIO-NETより-』によると、相談件数は91.0万件でした。契約当事者の年代別に見ると、70代以上の割合が最も高く、全体の26.2%を占めています。続く60代も15.2%でした。
また商品別にみると、相談件数で3番目に多いのが「健康食品」で、相談者の平均年齢は63.4歳と、高齢者の相談が多いことがわかります。そして具体的な相談内容として多いのが、トシ子さんのように、知らぬ間に定期購入になっているというもの。「お試し価格」で1回きりの購入のつもりが、気づかぬうちに高額な定期購入契約を結ばされていたというケースです。広告の隅に小さな文字で契約条件が書かれていたり、解約方法が意図的に複雑にされていたりするため、高齢者が自力で解決するのは非常に困難なことが多いとされています。
また占いサイトに関するトラブルについて広く注意喚起がされています。鑑定料として高額な料金を請求されたり、不安を煽って不必要な商品やサービスを購入させられたりする被害が報告されています。なかには占い師とのコミュニケーションに依存してしまい、気づけば多額のお金をつぎ込んでいた、というケースも少なくありません。
こうしたトラブルから親を守るために、家族ができる対策としては、まず「クレジットカードの利用明細をこまめに確認し、不審な支払いがないかをチェックすること」。可能であれば、カードの利用上限額を引き下げたり、スマートフォンでのキャリア決済に上限を設定したりすることも有効です。
もし、高額な請求など、トラブルに気づいた場合は、すぐに専門の窓口に相談することが重要です。消費者ホットラインに電話すれば、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれ、専門の相談員から解約交渉の方法などについて具体的なアドバイスを受けることができます。
「今回、健康食品や占いサイトに支払っていたのは、十数万円でした。この程度で済んでよかったのかもしれません。こまめに連絡はしていますが、ちゃんと会わないと気づかないものですね……」
[参考資料]
独立行政法人国民生活センター『2024年度 全国の消費生活相談の状況 -PIO-NETより-』
中野区『占いサイトのトラブルに注意!(消費者相談の現場から 2022年3月号)』