東京と地方の経済格差は、大きな開きがあります。厚生労働省の調査によれば、平均年収が最も高い東京都と、最も低い県との差額は約223万円。これは生涯換算すると、実に8,000万円以上の格差となり得ます。しかし、その一方で、「都道府県魅力度ランキング」では、年収が低いとされる県が上位にランクインすることも珍しくありません。満員電車や競争社会といった都会の喧騒から離れ、「自然豊かな環境で、のんびりと」といった理想を抱き、地方へのUターン移住を検討する人が増えています。実情をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
Uターン移住で後悔しないために
最終的に、夫婦はマイホーム購入を諦め、当面は賃貸で暮らしながら、まずは教育費の準備を最優先することにしました。ナオキさんもカンナさんも趣味を諦め、節約に励みながら、年収を少しでも上げるために転職も視野に入れるように。
Uターン移住は、都会のストレスから解放され、親しみある地元で安心感のある暮らしできるという大きなメリットがあります。また、両親が協力的である場合、実家にも頼りやすくもなるでしょう。しかし当然ながら、メリットばかりでなく、現実的な移住後の暮らしをみつめる必要があります。生涯賃金が大きく下がるというデメリットを超える価値が本当にあるのか。移住を決断する前に、理想の暮らしと、そこにかかるお金の現実を冷静に計算し、家族で話し合うことがなによりも重要です。