首都圏のマンション価格が高騰を続ける今、かつての「環状16号線の内側」という常識は通用しなくなりつつあります。では、これから本当に価値が上がる「損しない街」はどこなのか? マンションリサーチ株式会社による最新調査から見えてきたのは、意外にも「大宮・浦和」という埼玉の都市の躍進でした。変わりゆく首都圏の勢力図を読み解き、未来の資産価値を見抜くための新常識を解説します。
なぜ今「大宮・浦和」が熱いのか? 「16号線神話」が崩れた首都圏マンション、「損しない街」の新常識 写真はイメージです/PIXTA

未来の価値を見抜くための「4つのものさし」

「環状16号線の内側」という言葉が過去のものとなりつつある今、私たちは何を基準にマンションを選べばいいのでしょうか。今回の分析から、未来の価値を見抜くための「4つのものさし」が見えてきました。

 

都心へのアクセス性

これは今なお最も重要な要素。ただし、単に所要時間だけでなく、通勤ラッシュ時の混雑具合や遅延の頻度、そして路線そのものが持つブランドイメージも総合的に見極めたいところです。

 

街の将来性・再開発

駅前の再整備や新しい商業施設の建設計画は、街の魅力を底上げし、将来の需要を呼び込みます。リニア中央新幹線の開業を控える品川や、今この瞬間も姿を変え続ける渋谷のように、大きな都市開発は資産価値を大きく左右します。

 

暮らしやすさの実感

スーパーや病院、学校といった生活基盤はもちろん、自治体が提供する子育て支援策の充実度なども、特にファミリー層にとっては大きな決め手になります。

 

需要の底堅さ

渋谷区や港区のように、国内の富裕層だけでなく、海外の投資家からも熱い視線が注がれるエリアは、需要が安定し、価値が落ちにくいのが特徴です。国内の人口動態だけでなく、グローバルな視点で需要が続くかどうかを見極める必要になるでしょう。

 

これからの首都圏マンション市場は、価値が上がり続けるエリアと、需要が細り価格が伸び悩むエリアとの二極化が、ますますはっきりしてくるでしょう。だからこそ、マンションを買おうとする人たちには、メディアが報じる表面的な価格や、古いイメージに流されることなく、その裏にある需要や将来性といった本質を冷静に見抜く目が必要になります。

 

[参考資料]

マンションリサーチ株式会社『荒川を超えても高騰!? 交通インフラで変わる首都圏マンション勢力図』