(画像はイメージです/PIXTA)

相続税が他人事ではない時代が到来しました。今こそ、資産を守るための「正しい方法」を知ることが重要です。相続税対策において、金融資産よりも不動産、特に賃貸経営が有利であることは広く知られています。今回は、その賃貸経営の節税効果について、岸田康雄税理士がわかりやすく解説します。

失敗を防ぐ賃貸収支シミュレーションの重要性

不動産投資を活用する際、絶対に欠かせないのが事前の収支シミュレーションです。不動産投資によって安定した家賃収入を得ることが可能となりますが、適切な収支シミュレーションを行わないまま進めてしまうと、想定外のトラブルや経済的損失を招くことも少なくありません。

 

まず、収支シミュレーションで考慮すべきなのが空室リスクです。これは不動産投資において最も重要な問題です。特に都心部と地方では適切な空室率の設定が異なり、都心部であれば5%程度、地方物件では10〜15%程度を目安に想定することが推奨されています。

 

また、建物の経年劣化に伴う家賃の下落や修繕費用の増加も収支を圧迫する要素であり、これらの費用も余裕を持って織り込んでおく必要があります。

 

さらに、金利上昇リスクや地域環境の変化などの不確定要素も事前に予測しておくことが重要です。変動金利で借入をしている場合、将来的に金利が上昇すると返済額が増加するため、シミュレーション時には金利の上昇を想定したストレステストを行い、財務状況への影響を検討しましょう。

未来を見据えた資産承継戦略

相続税対策を成功させるためには、数十年という長期視点に基づく戦略が不可欠です。一時的な節税を目的とした対策だけではなく、将来の税制改正や社会情勢の変化を想定しながら、柔軟に対応できる仕組みを作ることが重要です。

 

特に、個人財産を金融資産から不動産へ組み替える手法や小規模宅地等の特例など、長期にわたって有効な節税効果を発揮できる対策を組み合わせることが求められます。

 

また、生前贈与を活用する資産承継では、時間をかけて効率的な資産移転が可能となります。子や孫への贈与を通じて資産を承継させながら、将来的な相続税負担を大幅に軽減することができるのです。

 

長期視点の相続税対策は、一度計画を立てれば終わりではありません。定期的な見直しを行い、家族構成の変化や税制改正、市場環境の変化に対応することが求められます。家族全体で共有できる計画を作り、数十年後の未来に向けた強固な資産承継戦略を実現しましょう。
 

 

岸田康雄

税理士

 

 

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