何度言っても、部下が期待通りに動いてくれない――。その原因は、部下の能力や意欲の問題ではなく、あなた自身の「接し方」にあるのかもしれません。部下が何気なく発する言葉には、意外な本音と、部下の才能を理解するためのヒントが隠されています。本記事では、野本果甫氏の著書『人材育成はフィードバックが9割 部下が自走して成果を出すリーダーシップの在り方』(ごきげんビジネス出版)より、自走する部下を育てるための「トリセツ」作成法について解説します。
覇気のないZ世代社員の「ほどほどにやります」…“部下を伸ばす上司”と“部下がすぐ辞める上司”、返答の違い (※画像はイメージです/PIXTA)

部下のトリセツをつくる

部下が期待したような動きをしない場合、上司の接し方がその部下にはあっていない可能性があるでしょう。

 

そこで私が実施する管理職研修では、部下のトリセツをつくってもらいます。トリセツをつくるためには、「部下を知る」ことが原点となるのです。研修では部下に関するいくつかの質問に答えてもらうワークをするのですが、答えられない質問も多く、「部下のことを理解していないことに気づいた」との感想を多くいただきます。

 

そのとき答えられなかった質問は、職場で部下とのコミュニケーションのなかで答えを探してもらいますが、そのプロセスが部下を理解することにつながり、結果として、どうしたら部下が自ら動いてくれるか、多くのヒントが得られるのです。

 

では、次にある部下を知るための「質問」に答えてみましょう。すぐに答えられない質問は観察やヒアリングをして情報を集めてください。

 

【部下を知るための10の質問】

 

質問1 部下が自分の人生(生活)で大事にしていることは何ですか?

 

質問2 部下が幸せを感じるときはどんなときですか?

 

質問3 部下が仕事で大事にしていること、こだわりは何ですか?

 

質問4 部下が好きな仕事、得意な仕事は何ですか?

 

質問5 部下が嫌いな仕事、苦手な仕事は何ですか?

 

質問6 部下が仕事でやりがいを感じるのはどんなときですか?

 

質問7 部下が仕事でつらい、苦しいと感じるときはどんなときですか?

 

質問8 部下は自分の強みや長所をどんなところだと思っていますか?

 

質問9 部下は自分の課題や短所をどんなところだと思っていますか?

 

質問10 部下は将来どうなりたいと思っていますか?(人生・仕事)