(※写真はイメージです/PIXTA)
面接は「面談」ではない
自分のやってきた仕事を、事実に基づき、明確に語れなければ、どれほど立派な経歴があっても通用しません。しかし、意識が甘い方は意外と多いのです。準備不足のまま面接やヘッドハンターとの接触に臨むため、「私は何をすべきか」「どこを目指したいのか」が不明確なまま迷走してしまいます。
「私はこうなりたい!」という強い意志がなければ、面接は単なる人生相談で終わってしまいます。棚卸しに臨む際は、「これからの10年、20年をどう生きたいか」という問いに、自分なりの答えを出しておくべきです。転職というのは、まずそこからスタートします。
また、「自分はなんでもできる」と思っている人が意外と多いのですが、現実はそうではありません。「私はテーマを与えられたら、なんでも解決する自信があります」という人もいます。ですが、「あなたが本当にやりたいことはなんですか」と問われたとき、きちんと答えられないケースは少なくありません。
その会社のポジションと自分の思いが本当にマッチングしているのか、しっかり言葉で示す必要があります。ですが、これができる人は、実は非常に少ないのです。
仕事に「自分の意思」がどのくらいあるか
最後に少し厳しい話をします。良い大学を出て、大企業で順調にキャリアを積んできた人のなかにも、自分の頭で考えることをあまりしてこなかった、というケースは少なくありません。そのツケは、数十年後に必ず表面化します。
言われたことに逆らわず、素直に日々のやりとりをして、残業に付き合い、社内イベントに出ていれば、なんとかなったのかもしれません。しかし、それが自分の仕事として本当に他者に説明できるものなのか。いま一度、胸に手を当てて考えてみてはいかがでしょうか。
福留 拓人
東京エグゼクティブ・サーチ株式会社
代表取締役社長