厚生労働省から令和6年の『賃金構造基本統計調査』の結果が発表され、最新の会社員の給与事情が明らかになりました。今回は職業別に平均給与を紐解いていきましょう。
「年収の高い職業」ランキング…トップは会社員の3倍「年収1,697万円」と桁外れの給与額

男女の隔たりが大きな職業と、男女の隔たりの小さな職業

給与差が生じるのは、産業だけでなく職業(職種)でも。最も年収が高いのは昨年に続き「航空機操縦士」、いわゆる「パイロット」(平均年齢40.4歳)で、月収121万7,700円、年収で1,697万0,700円。会社員平均の3倍と、なんとも羨ましい限りの給与を誇ります。続く「医師」は月収で91万1,600円、年収で1,338万0,100円。ほか「歯科医師」(1,135万5,200円)と、「大学教授」(1,093万3,100円)と、上位4つの職業は、会社員が憧れる「年収1,000万円超え」を平均値で達成しています。

 

【職業別「平均年収」トップ10】

1位「航空機操縦士」1,217,700円/16,970,700円 

2位「医師」911,600円/13,380,100円 

3位「歯科医師」895,000円/11,355,200円

4位「大学教授(高専含む)」664,300円/10,933,100円 

5位「管理的職業従事者」571,600円/9,171,900円 

6位「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」562,400円/9,032,200円 

7位「獣医師」683,700円/8,847,800円

8位「大学准教授(高専含む)」545,400円/8,806,900円

9位「公認会計士、税理士」508,200 円/8,562,600円

10位「法務従事者」507,200円/7,652,700円 

 

男女別にみていくと、男性のトップ3は「航空機操縦士」「医師」「歯科医師」で、ほか「大学教授」「公認会計士、税理士」の計5職種が1,000万円を超えました。一方で女性のトップ3は「「航空機操縦士」「医師」「大学教授」。この3職種が大台を超えています。

 

年収トップの職業については同じ顔ぶれですが、職業によって男女の給与差はさまざま。特に男女差が大きい職業は「歯科医師」で給与差は年収で584万9,600円。続く「航空機操縦士」は年464万6,800円。これら含め、13の職種については、男女で200万円以上の給与差が生じています。

 

一方、男女による給与が最も小さいのが「建設・さく井機械運転従事者」で1万円強と、誤差の範囲。また「看護師」「看護助手」「准看護師」は年15万円程度、「訪問介護従事者」「介護職員」は年30万~40万円と男女の給与差が小さな職業です。男女の給与差は、男性を100とした際に75程度。その差は徐々に縮まりつつありますが、まだまだ大きな隔たりがあるのが実情。そのようななか、「看護」や「介護」といった分野は、男女関係なく活躍できる世界といえるかもしれません。