朝のブドウ糖不足には要注意

コレステロールが脳に良い、という話を先ほどしましたが、脳にしっかりと栄養が行き渡るように食べるという意味では、朝食はしっかりとりましょう。朝はブドウ糖が不足しているからです。

一般的に、人は朝食と昼食の間は4時間ぐらいしか空きません。昼食と夕食の間は、だいたい7時間ぐらいです。ところが、夕食を食べてから朝食までの時間は12時間ぐらい空きます。そのため、低血糖を一番起こしやすい時間帯は、朝なのです。

ブドウ糖が不足した状態というのは、脳の働きにとって絶対に良くありません。もちろん記憶力に関しても大きなマイナス要因です。脳はものすごくエネルギーを消費します。1日中勉強をしていると、運動もしていないのに、お腹が空いた経験のある方も多いことでしょう。朝は、ブドウ糖が不足した脳にできるだけ早くエネルギーを補給する必要があるのです。

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朝カレーが素晴らしい理由

大リーグでも活躍したイチロー選手が、毎朝、カレーを食べているということがニュースで広まり、朝カレーがブームになったことがありました。カレーは食べやすいですし、脳のためにはベストと言ってもいい朝食になります。

第一の理由は、ごはんは炭水化物で、夜から朝にかけてエネルギーが足りなくなっている脳にたっぷりと力を与えてくれます。第二に、カレーのスパイスが脳の目覚めを刺激します。それから豚肉が入っているカレーであれば、豚肉はビタミンB1の宝庫なので、さらに良いのです。豚肉はタンパク質なので、体内で合成されないトリプトファンなどの必須アミノ酸もとれますから、脳の働きに非常に効果的です。

だから、スパイスが入っていて、豚肉がとれて、炭水化物も一緒にとれるという意味で、豚肉入りのカレーは大変に賢明な選択なのです。カレーはレトルトでも十分です。もちろん魚にもタンパク質は豊富に含まれていますから、朝食に鮭おにぎりなどもおすすめです。

昼食には、肉や魚を食べるのがベストです。日本人の多くは、夕食がご馳走で、昼は粗食になる人が多いと思います。しかし、実は人間の肝臓の働きが良いのは朝から昼なのです。肝臓の働きがいいというのはどういうことかと説明しますと、食べた肉や魚がきちんとアミノ酸に分解されるということです。

肝臓の働きが悪いと、せっかく食べてもセロトニンなどのホルモンになってくれません。だから、肉や魚などのアミノ酸に分解される食品はお昼にとるのがおすすめです。その分、夜は簡単に食事を済ませてもいいでしょう。ただし、先ほど述べたように、夕食と朝食の間が空きますので、炭水化物をとるように心がけましょう。