高齢になっても健康なまま生活したい、と考えたとき食事に気をつける方も多いでしょう。しかし食事にも私たちは無意識な偏見を向けています。そこで本記事では、医学的観点から肉を食べたほうがよい理由や、好きなものを我慢せずとことん食べるメリットを、70代、80代を楽しく生きるために知っておくべき「新常識」について和田秀樹氏が著した著書『70代、80代を楽しむためにこれだけは知っておこう!』(かや書房)より一部抜粋・編集して、詳しくご紹介いたします。
ナッツ類でも豆類でもない 「老化予防・認知症予防」に理想的な、医師・和田秀樹氏がすすめる〈食べ物〉
我慢をしない食事法:身体が欲しているものを素直に食べよう
好きなものをどんどん食べる
歳をとってくると、食欲が落ち、食が細くなっていく一方です。しかし、食事は軽食だけで済ませないようにしましょう。どうしても食べる気にならない人は「好きなもの」を食べてください。
好きなものなら、食欲がなくても食べられるでしょう。肉や魚、麺類から加工食品、ジャンクフードまで何でもOKです。身体(脳)が欲しているのであれば、食べたいと思っているのであれば、その気持ちを優先しましょう。
加工食品に関していえば、発がん性物質を多く含んでいるなどと言われているものもありますが、食べて発症する確率的には、100万人に1人とか、ごく稀なスケールの話です。それをいちいち怖がっていたら、何も食べられなくなります。
中国や台湾では、人工調味料をたくさん使うようですし、中華料理などには味の素(うま味調味料)が当たり前のように入っています。それに比べたら日本の食品添加物なんて、微々たるものです。
慢性的アレルギーは人それぞれ違うもの
一般的に身体に良いとされている食べ物が全ての人に効果的だとは限りません。慢性型のアレルギーは一人ひとり違うものです。以前私も「海藻やそばが良い」と検査で言われたので、意識してたくさん食べていたら、逆に海藻やそばの慢性型アレルギーになってしまいました。一般的に「身体に良い」と言われているものでも、自分にとっては悪いこともあるのです。
そのように考えると、「誰にとっても良いものや誰にとっても悪いものって意外にない」という考えをしたほうが人生を楽しく生きることができます。カレーや牛丼など、高カロリーな食事でもそのときに食べたいものを食べればいいし、夜中でもラーメンを食べたければ食べればいいのです。
私はラーメン屋巡りが大好きですし、カップラーメンも食べます。自分の身体や脳が欲するサインに対して素直に応じ、食べたければ食べればいいのです。