肉を食べて老化予防:タンパク質中心の食生活を心がける

アミノ酸を多く含むタンパク質が重要

脳の老化は前頭葉から始まります。前頭葉とは大脳の前部にある部位の1つであり、知能や人格、理性、言語、運動などを司っています。ここが衰えてくると怒りっぽくなったり、気分がふさぎ込んで不機嫌になったり、意欲や好奇心が失われたり、身の回りに無関心になったりするほか、長引けばうつ状態になってしまいます。さらには車の運転に必要な注意力や判断力といった能力の低下にもつながります。

その意欲や判断力、記憶力の衰えは、加齢による男性ホルモン(テストステロン)の分泌の減少によって引き起こされます。では、この減少を食い止めるにはどうすればいいのでしょうか?一番手軽にできることは、男性ホルモンの分泌促進効果がある食べ物を摂取することです。男性ホルモンの分泌促進には、アミノ酸を多く含むタンパク質をとることが必要です。そして、その理想的な食べ物が「肉」なのです。

肉にはトリプトファンという必須アミノ酸が多く含まれています。これはセロトニンという神経伝達物質の材料となり、肉に含まれるコレステロールがこれを脳に運んでくれると考えられています。

セロトニン不足が認知症の原因になる

セロトニンとは別名「幸せホルモン」と呼ばれ、幸福感と密接に結びついている物質です。これが減少してくると気分が沈んだり、イライラしたり、感情の不安定さを招きます。しかもセロトニンは加齢によって減少していく物質であり、その減少が認知症の原因となります。このように、タンパク質が不足すると様々な弊害が生じます。肉を食べることは、セロトニンをつくる手助けにもなるのです。

肉以外にも、男性ホルモンを合成するために必要な亜鉛を含んだ食材(牡蠣など)、末梢血管を広げて血行を促進して脳を活性化するビタミンEを含んだ食材(ほうれん草など)、認知機能や筋肉の衰えを防ぐビタミンDを含んだ食材(鮭など)なども有効です。加齢とともに徐々に食が細くなっていくので、普段の食事にできるだけこれらの食材を取り入れて、日頃から認知症予防を心がけていきましょう。