(写真はイメージです/PIXTA)
高齢で戸建ての維持は難しい…選択したのは駅前のタワーマンションだった
地方在住の石川博さん(仮名・75歳)由美子さん(仮名・74歳)夫婦。現在の住まいは、駅前に建つタワーマンションの14階。周囲には目立った高い建物がないため、ずいぶんと遠くまで見渡すことができます。
このタワーマンションに入居したのは、仕事を辞めるのと同時に年金を受け取り始めた10年前のこと。今後の生活について考えるなか、住まいをどうするかという問題にぶつかりました。それまで住んでいたのは、30代のときに建てた一戸建て。元気な現役世代用に作られた家は、今後、足腰が一層弱くなるであろう高齢者には不向き。安心して住み続けるには、バリアフリー工事は必須でした。
さらに地方の一戸建てにありがちな広い庭。このあたりは冬になれば大雪が降り、除雪も大変です。屋根の雪下ろしは、まさに命がけ。考えれば考えるほど、既存の一戸建ての暮らしは限界だと考えるようになったのです。
結論として選択したのは、集合住宅への住み替えでした。そして住み替えで目を付けたのが、当時、駅前に建設中で、大々的にPRしていた現在の住まいであるタワーマンションだったのです。
【高齢者の住み替え意向*】
60~64歳:40.9%
65~69歳:35.7%
70~74歳:31.3%
75~79歳:27.4%
80~84歳:21.9%
85歳以上:18.4%
*「ある」と「現時点ではその意向はないが、状況次第で将来的には検討したい」の合計
【住み替え意向の理由・ベスト5】
1位「健康・体力面で不安を感じるようになった」…24.8%
2位「自身の住宅が住みづらいと感じるようになった」…18.9%
3位「自然豊かな環境で暮らしたいと思った」…10.3%
4位「買い物が不便になったから」…10.2%
5位「交通の便が悪くなったから」…9.8%
出所:内閣府『令和6版 高齢社会白書』