(※写真はイメージです/PIXTA)
生活困窮を訴えても、役所の答えは「年金だけで暮らせます」
特に昨年の夏以降の物価高は厳しいという千葉さん。燃料も高く、布団をかぶってできるだけ暖房をつけない生活を送っています。
【灯油(18L)の価格推移】
2019年1月…1,635円
2020年1月…1,720円
2021年1月…1,495円
2022年1月…1,961円
2023年1月…2,024円
2024年1月…2,114円
2025年1月…2,241円
出所:総務省統計局『小売物価統計調査』
――あまりに生活が苦しいもんだから、一度、役所に相談しにいったよ。生活保護!? あれを受けられるんじゃないかと。でも「生活保護は難しいですね」と一蹴されたよ
千葉さんの暮らしている市における75歳男性の生活保護費は月10万7,250円。そのうち家賃に相当する住宅扶助基準額は4万0,900円で、千葉さんの場合、持ち家(=元店舗兼自宅)なので対象外。年金収入が最低生活費である6万6,350円を下回っていれば、その差額を受け取れる可能性があります。この年金収入は手取り額。月額年金額から実額控除(所得税+手続き代+介護保険料控除)を差し引いた額が収入認定額とされます。千葉さんの場合は…わずかながらも最低生活費を上回り、生活保護を受けることは叶いませんでした。
――おいおい、何もかも値上がりしているのに、年金だけで暮らせるわけないだろう
そう反論してみても「決まりですので」と一蹴。さらに「失業しているとはいえ、千葉さんは健康で働けますよね。まずはお仕事を頑張って探しましょう」と励まされる始末。
――まさかこの年になって「仕事を探せ」と役所にいわれるとは思いもしなかった。とりあえず、ハローワークに通い続けるしかなさそうです
[参考資料]