(※写真はイメージです/PIXTA)
アルバイトで食いつないでいたが、75歳で契約更新はしないの無常
先月、政府は備蓄米の放出を発表しましたが、今のところ米の高騰が止まる気配はありません。今後、価格が下がっても限定的という専門家も多く、もう米の価格は元には戻らないと悲観する見方が広がっています。そんななか、生活のベースが年金という高齢者が苦境に立たされています。
「何もかもが高くて、食べていくのもやっとだよ」と窮状を訴えるのは千葉勲さん(仮名・76歳)。
【消費者物価指数(CPI)の推移】
2019年1月…99.7(前年同月比0.8%)
2020年1月…100.5(前年同月比0.8%)
2021年1月…99.8(前年同月比-0.7% )
2022年1月…100.1(前年同月比0.2%)
2023年1月…104.3(前年同月比4.2%)
2024年1月…106.4(前年同月比2.0%)
2025年1月…109.8(前年同月比3.2%)
出所:総務省『消費者物価指数(CPI)』
※数値左より、生鮮食品を除く総合指数(2020年基準)、前年同月比
父親の代からの商店を継いだものの、時代の流れとともに大手チェーン店の進出やオンラインショッピングの普及、さらには地域の人口減少などが追い打ちをかけ、売上は大幅に減少。親が残してくれた店、できれば守っていきたいと頑張りましたが力及ばず、60歳になる前に廃業。以降はアルバイト、65歳からは年金も受け取りながら生計を立ててきました。
直近でやっていたのは施設警備員の日勤。時給980円で、月17.2万円ほど。手取りにすると14万円ほど。そこに年金が7万円弱加わり、毎月20万円を切る程度の収入がありました。高齢男性ひとり暮らしていくには十分ではあったものの、75歳に達すると契約は更新しないと通達。仕事を失いました。
――まだ働ける。でもこの年になると、仕事がなかなか見つからない。
アルバイトの収入がなくなり、収入は老齢基礎年金の月7万円弱。買い物に行くと、どんなに安いものであろうと、一度、「本当に買っていいのだろうか」と考え込む……そんな毎日を送っているといいます。