すべての人に平等に訪れる「最期のとき」。残される家族が困らないようにと、最期の迎え方、葬儀、お墓……生前にすべてのことを段取りしておくケースも珍しくありません。ただ想定外のことで、残されて家族が思わず「えっ⁉」と驚くことも。
な、何かの冗談では?享年75歳・壮絶な闘病生活を終えた父だったが、45歳長男が葬儀社から聞いた「衝撃事実」に唖然 (※写真はイメージです/PIXTA)

父の願いをすべて叶えた看取りだったが…唯一の想定外とは?

清さんが亡くなり、すべてが順調に進めることができましたが、唯一、思い通りにならなかったことがあります。

 

――葬儀社から「火葬場が混んでいて、火葬は(亡くなってから)12日後になる」と……思わず耳を疑い、「な、何かの冗談ですよね?」と聞き返してしまいました

 

厚生労働省によると、2024年、死亡した人は161万8,684人で、4年連続で過去最高を更新しました。10年前の2014年の死亡者数は127万3,025人、さらに10年前の2004年は1,02万8,602人、さらにその10年前の1994年は87万5,933人。30年で亡くなる人は2倍近くにも増えています。

 

高齢化に伴い、多死社会が到来し、都市部では圧倒的に火葬場が足りない状況に。特に火葬場が混む冬場は、2週間待ちということも珍しくないとか。しかし新たな火葬場の建設や改修などは、住民からの反対も多く、なかなか計画が進まないという事情もあります。

 

【亡くなってから火葬までの日数】

■関東全体

・亡くなってから3日以内…36.2%

・亡くなってから4~7日以内…58.1%

・亡くなってから8日以上…5.7%

■関東冬季

・亡くなってから3日以内…27.8%

・亡くなってから4~7日以内…54.2%

・亡くなってから8日以上…18.0%

出所:株式会社鎌倉新書『お葬式に関する全国調査(2024年)』

 

――亡くなったあと、想像以上に家にいるから。「本当に親父は家が好きだな」と、家族みんなで笑っていました

 

火葬まで12日ほどかかったことで、遺体の保管にかかる料金として15万円以上が追加でかかることになったといいます。今後、さらに深刻化する可能性の高い火葬場の不足問題。火葬待ちを見越してプラスαの費用を用意しておくことが今後求められてきそうです。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年度人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査報告書』

厚生労働省『人口動態調査』

株式会社鎌倉新書『お葬式に関する全国調査(2024年)』