※画像はイメージです/PIXTA

本連載の前回記事『NISAで“やってはいけない”こととは?【投資のプロが解説】』では、NISA口座では「含み益の最大化を目指すべき」という結論を紹介しました。今回は、その含み益をどのように拡大させていくか、具体的な方法論をみていきましょう。ゴールドマン・サックス・アセットマネジメントでの運用業務を経験後、日本の個人投資家に質の高いサービスを届けるため2019年に株式会社sustenキャピタル・マネジメントを創業した岡野大氏が解説します。※本記事タイトルで使用している「オルカン」は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に係る三菱UFJアセットマネジメントの登録商標です。

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インデックス投資だけでは足りない?“究極のパッシブ投資”とは

ここまでお読みいただいて「そうそう、だから私は市場全体に投資するインデックス投資をしているよ」という読者もいらっしゃるでしょう。大正解です。いや、でもちょっと待ってください。

 

CAPMの結論は「世界中の資産をすべて保有すること」でした。ここでいう資産とは、投資対象として認識されるすべてを指します。

 

世界の投資対象は、上場している株式だけにとどまりません。未公開株式、各国政府が発行する国債、企業の社債、不動産、船舶……そして近年では暗号資産までもが投資資産として認識されています。

 

つまり、究極のパッシブ投資とは、株式インデックスだけでなく、すべての資産を時価総額比率で保有することを意味します。

 

上場株式の価格や評価は、株式市場だけで決定されるわけではありません。株式市場に参加する投資家は、株式以外にもさまざまな資産にアクセスすることが可能です。株式の価格は、債券やコモディティの価格との比較を通じて“効率的に”形成されているのです。

 

これらを踏まえると、株式インデックスのみに投資することは、はたして本当の意味でのパッシブ投資といえるでしょうか。

 

……最後のご説明は少し複雑だったかもしれません。究極のパッシブ投資とインデックス投資の関係性、そしてNISAにおける投資ポートフォリオについての考察は、次回の「GeekなNISA」でまた解説いたしますので、ぜひご期待ください。

 

 

岡野 大

株式会社sustenキャピタル・マネジメント

代表取締役/最高経営責任者 CEO