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投資の本質は「売買」ではなく「保有」
投資というと、いまだに「投資は博打(ばくち)」といった誤ったイメージを持つ人がいます。あるいは、投資を生業にする人でさえ「投資とは突き詰めれば、安く買って高く売ること」と表現することがあります。
たしかに、「安く買って高く売る」という行為は、取引による収益獲得という意味では間違いではありません。しかし、この考え方は投資の本質を矮小化しているため、注意が必要です。
資産運用における投資の本質は「安く買って高く売る」ことではありません。投資とは、不確実ながらも収益が期待できる資産に対して、その不確実性に見合った形で資産を保有することです。
投資による収益は配当や利子といったわかりやすい形で得られるだけでなく、資産価値や需要の上昇による値上がりからも得られます。「タイミングを見計らって高く売らなければならない」という考えは誤りです。
資産価値の継続的な上昇が見込める場合、単に保有しておくだけでも含み益を増やし続けることができます。
「タイミングをみて高く売る」行為が、投資家にとって”逆効果”となることも…
むしろタイミングを見計らって売買することは、投資家にとって不利に働くということも指摘されています。
BarberとOdeanが大手ディスカウントブローカーの口座を対象に行った調査※によると、1991年~1995年にかけて、単純に市場平均に沿って資産を保有し続けた場合のリターンは+17.9%であったのに対し、もっとも頻繁に取引するグループのリターンは+11.4%しか得られなかったという結果が出ています。
※ Barber and Odean(2000) “Trading Is Hazardous to Your Wealth: The Common Stock Investment Performance of Individual Investors”
そもそも、投資が単なるトレーディングによってのみ収益を生むとすれば、重大な問題が生じます。投資対象となる資産を買う際には、必ずその反対側に売り手がいるからです。
あなたが「安く買えた」と考えても、売り手は「いい価格で売れた」と考えているかもしれません。もし「安く買って高く売る」ことだけが投資の本質だとすれば、誰かの損失なしには利益を得られないことになります。
このような状態は、投資家の保有する価値の総和が一定という意味で「ゼロサムゲーム」と呼ばれます。しかし、もし投資が本当にゼロサムゲームだったなら、世界の資産価値がここまで拡大することも、社会が今日ほど発展することもなかったはずです。