信頼も厚い、定年後も部下を支える元部長
藤原徹さん(仮名・60歳)。大学を卒業して就職した大手電子メーカーでキャリアを積み、50代で部長に昇進。60歳の定年まで無事、勤め上げることができました。営業部門で長年活躍してきた藤原さん。取引先からの信頼も厚く、特に大手顧客との交渉を一手に担っていました。定年後は契約社員として「営業サポート」の役割を担っています。
若手営業担当が手に余るような難しい顧客対応や、過去のプロジェクトのフォローアップ。30年以上にわたって築いた顧客との信頼関係は、会社にとって非常に貴重な資産であり、藤原さんが間に入ることで、顧客の抱える問題をスムーズに解決することが可能になっているとか。一方で現役時代と比べて張り合いがなくなったと感じることも。ただ「藤原さんのおかげで案件がまとまりました」と報告を受けるときには、会社に残った意味を感じるといいます。
そんな藤原さん、定年後の私生活は「寂しいものですよ」とポツリ。住まいは東京郊外の1戸建て。広い庭に大きな邸宅は、さすが、最高月収は3桁、年収は1,500万円ほど、さらに定年退職金は4,000万円超と、サラリーマンの勝ち組にふさわしい佇まいです。
ただ仕事はできても家事力は低く、料理はまったくできない藤原さん。食事は外食か、またはコンビニで買ってきたお弁当。
――ぽつんとひとり、テレビを観ながらコンビニで買ってきたお弁当を食べる姿を想像してください。なんとも寂しいものでしょう
自虐的に笑う藤原さんですが、つい最近まで家族がいたといいます。妻と2人の娘。長女は結婚を機に、次女は就職を機に家を出ました。そして妻とは、先日、離婚が成立。32年の結婚生活は終わりを告げました。