夫を亡くした妻「心配で化けて出てくるから、人生楽しまないと」
介護生活を終え、今の楽しみは「友人との温泉旅行」。春夏秋冬、四季の移ろいを感じながらゆったりと温泉にひたる……「この数年間は、こんな贅沢な時間を過ごしたことはありませんでした」と恵美子さん。
【高齢者の楽しみ】
1位「旅行」…45.3%
2位「テレビ/ドラマ」…39.9%
3位「グルメ」…28.1%
4位「映画」…25.9%
5位「読書」…22.3%
6位「スポーツ」…20.8%
7位「音楽/楽器」…20.7%
8位「健康」…19.4%
9位「子ども/孫」…16.7%
10位「ガーデニング/家庭菜園」…15.9%
出所:ソニー生命保険株式会社『シニアの生活意識調査2024』
1回の旅行に使うのは3万円ほど。年金から少しずつ積み立て、旅行代金に充てているといいます。
亡くなった実さんの老齢年金は併給の基礎年金も合わせて月18万円ほど。恵美子さんは月8万円ほどの年金を手にしていました。実さんが亡くなったあと、恵美子さんが受け取れる年金は、実さんの遺族厚生年金8.4万円と、自身の年金。しかし恵美子さん自身の老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額の支給が停止となるため、実際に手にする遺族年金は8.4万円-1.2万円で7.2万円。合計、月15.2万円の年金を手にしています。「ひとりで生きていくには、十分なお金」と美恵子さん。
――結婚50年。半世紀も一緒にいたのでやっぱり寂しいですよ。でも平均寿命を考えると、あと10年、15年もある。その間、寂しく生きていたら、主人も心配で化けて出てきちゃうでしょ(笑)。だから毎日、楽しもうと思っています。あの世で主人に会ったら、「あなたが亡くなっても幸せに暮らしてきたわ」といえるように
夫亡きあとの毎日を楽しんで生きている恵美子さん。3ヵ月に1度の旅行のほか、新たな楽しみとして最近は合唱サークルにも入会。年末に第九のコンサートに出場するのが目標だといいます。
[参考資料]