要介護4の夫を最期まで在宅介護…「後悔はありません」
中島恵美子さん(仮名・72歳)。結婚50年になる夫・実さん(仮名)を亡くしました。78歳でした。実さんは亡くなる3年前に脳梗塞で倒れ緊急搬送。一命は取り留めたものの重い麻痺が残り、寝たきりになりました。要介護4。
自力で立ち上がったり、歩いたりすることが難しく、食事や排泄、入浴、着替えなどの日常生活のほとんどの動作に対して全面的な介助が必要でした。亡くなる少し前からは認知機能の低下もみられ、意思疎通が困難になってきていたといいます。
周囲からみても介護負担は相当なもの。施設への入居も勧められましたが、恵美子さんは訪問介護・看護を頼りながら在宅での介護にこだわり、自宅で看取りました。
【要介護3、要介護4「同居の主な介護者」の介護時間の構成割合】
■要介護3
・ほとんど終日…31.9%
・半日程度…21.9%
・2~3時間…11.5%
・必要なときに手を貸すだけ…26.0%
■要介護4
・ほとんど終日…41.2%
・半日程度…20.0%
・2~3時間…9.4%
・必要なときに手を貸すだけ…17.4%
出所:厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』
――寂しがりやな人だったので、施設には入りたくないだろうなと思って頑張りました。主人も私の頑張りに感謝していると思いますよ(笑)
介護生活を振り返ると「正直、大変でした」と恵美子さん。70代の高齢者と要介護4の夫の介護は、体力的に大きな負担でした。しかし「これ以上、してあげられることがないといえるから、まったく後悔がない。主人の介護をまっとうできて幸せですよ」といいます。