長い、長い会社員人生のあとに始まる老後の生活。悠々自適な毎日を夢見ていたものの、そのスタートで「あんなに働いたのに、年金はこれだけしかもらえないんだ……」と肩を落とす人が多いようです。
年金に期待するだけ無駄だったな…〈退職金1,200万円〉勤続45年の中小企業で定年を迎えた65歳サラリーマン、初めての「年金振込日」に目の当たりにした「落胆の年金受取額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

45年の会社人生の終わりに受け取る退職金に満足

高校を卒業後に就職した会社に45年ほど勤めて、定年退職した石井隆さん(仮名・65歳)。勤めていた会社は地方の小売店で、退職金を1,200万円ほど手にしたそうです。

 

――地方だし、決して大きな会社ではありません。だから退職金なんて期待していなかったのですが……1,000万円を超える退職金なんて、真面目に頑張ってきてよかったと思いました

 

【中小企業の退職金】

■高校卒

・勤続10年…122.3万円(5.1ヵ月)

・勤続20年…328.4万円(11.4ヵ月)

・勤続25年…465.6万円(14.6ヵ月)

・勤続30年…604.6万円(17.5ヵ月)

・定年…994.0万円(23.2ヵ月)

■大学卒

・勤続10年…149.8万円(5.4ヵ月)

・勤続20年…414.7万円(11.8ヵ月)

・勤続25年…578.2万円(15.1ヵ月)

・勤続30年…754.2万円(18.3ヵ月)

・定年…1,091.8万円(22.8ヵ月)

※出所:東京都労働局『中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)』

※数値は会社都合退職の場合。(かっこ)内数値は支給月数

 

振り返ればいろいろなことがありました。理不尽なことで「こんな会社辞めてやる!」と退職を決意したこともあるそうです。それでも最後まで勤め上げた石井さん。「終わりよければすべてよし」と、大満足な会社員人生だったといいます。

 

そしてスタートした年金生活。65歳になる3ヵ月ほど前に、「年金請求書」が送られてきました。そこにはこれまでの年金加入記録が記載されています。「我ながら真面目に働き、真面目に年金保険料を払ってきたな……」と、少し感慨にふけたとか。

 

ちなみに年金請求の提出には、紙の請求書を窓口や郵送で年金事務所へ提出する方法と、電子申請により提出する方法があります。年金請求書の提出から約1~2カ月後に「年金証書・年金決定通知書」が届き、それから1~2カ月後に、年金振込通知書など支払いの案内が届き、年金の受け取りが始まります。基本的に受給権が発生した月の翌月分から受け取ることができ、原則、偶数月の15日に前々月と前月、2ヵ月分の年金が振り込まれます。