親と離れて暮らしていると顔を合わせるたびに年老いていく親の姿に驚き、心配がどんどん大きくなっていくもの。親は親で子どもに心配をかけるものではないと気丈にふるまうのも定番です。そんな親から緊急電話。思わず、ドキッとしてしまう展開で語られることとは?
庭付き一戸建てなんて意味なかったな…〈月収56万円〉家族第一主義の48歳サラリーマンが肩を落とす、マイホーム購入「15年後の大後悔」 (※写真はイメージです/PIXTA)

こだわりの注文住宅「広い庭」は絶対条件

中島徹さん(仮名・48歳)。15年前に建てたマイホームに、2歳下の妻と、高校生になる次男の3人暮らし。大学生の長男は、東京で下宿しています。

 

一生に一度の大きな買い物であるマイホーム。夫婦の夢を語っていくと、いろいろな要望が出てきました。

 

・閑静な住宅街。最寄駅からは徒歩15~20分以内

・周辺施設が充実。徒歩圏内に日常品がそろう買い物環境

・広いリビングに充実した収納

・子どもと犬がのびのび遊べる広い庭

 

さらに徹さんは書斎を希望、徹さんの妻は充実のキッチンまわりを希望。家族の要望をすべて満たす分譲戸建てはなかなか見つからず、土地を購入し、注文住宅を建てるしかないか……という結論に達しました。

 

【一戸建て購入者の理想の住まい】

■最寄り駅までの徒歩分数…平均18.7分

■重視したポイント

・条件:1位「部屋数」、2位「日当たり・風通しがよい」、3位「リビングが広い」

・設備:1位「駐車場(近隣含む)」、2位「システムキッチン」、3位「モニター付きインターホン」

・周辺環境:1位「治安がよい」、2位「閑静な住宅街」、3位「災害リスクが少ない」

■妥協したポイント

・条件:1位「眺望がよい」、2位「外観のデザイン」、3位「リビングが広い」

・設備:1位「宅配ボックス」、2位「床暖房」、3位「ウォークインクローゼット」

・周辺環境:1位「最寄駅から近い」、2位「最寄り駅・利用路線の利便性」、3位「周辺施設の充実度」「坂が少ない」

※出所:アットホーム株式会社『一戸建て購入者の視点から探る理想の住まい探し調査』

 

マイホームで一番叶えたかったのは「子どもと犬がのびのび遊べる広い庭」。そのためには、広い土地が必要です。徹さんの勤務先は東京の都心にあり、やはり通勤の便も考えたいところ。しかし、どんなに探しても東京都内にはそんな広い土地は見つかりません。そして京浜東北線を北へ、北へといくと、埼玉県と栃木県の県境にもほど近い街に、最寄り駅から15分の200平米超えの土地を見つけました。

 

プランニングしやすい整形地、6メートル道路に面し、ゆったりとした敷地には子どもや犬が遊べる広い庭もつくることができそうです。ただ会社にはドアツードアで1時間50分と、ほぼ2時間。終電は「東京発」22時半……ネックは徹さんの通勤時間だけ。悩んだものの家族第一主義の徹さん。家族の笑顔を思い浮かべながら、ネガティブなことはすべて受け入れることにしました。