2023年の日本国内の婚姻件数は約47万件。一方で離婚数は約17万件。毎年、毎年、多くのシングルマザーが誕生しています。その暮らしは厳しい場合が多いようですが、わざわざ物価の高い東京に出てくるシングルマザーも。そこには切実な理由がありました。
〈手取り月18万円〉東京中央区・築45年のマンションに住む「32歳2児のシングルマザー」。生活苦でも都会のど真ん中にこだわる切実理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

経済的に依存する夫に三行半…子を連れ上京

加藤愛彩さん(仮名・32歳)。東京中央区で、6歳と5歳の子どもたちと3人で暮らすシングルマザー。元々は、地方で暮らしていましたが、離婚を機に上京してきたのだとか。なぜ、地方での暮らしを捨て、東京へ?

 

――田舎特有の生きづらさみたいなものがあって。私が住んでいたところは、近隣との距離が近くて、みんなおせっかい。それが離婚して、シングルマザーとなった身にはツラかったんです。元の旦那とも、できるだけ離れたい、できれば住んでいる場所を知られたくない、という思いもありました

 

3歳年上の元夫は、会社でのトラブルをきっかけに退職。その後、働かず、子育てもせず、ただ加藤さんに依存するようになったとか。「父親のいない子にしたくない」と離婚は躊躇したといいますが、「あんな父親がいるほうが、子どもにはよくないんじゃない?」という友人からのアドバイスにハッとして離婚する決心をしたといいます。

 

【男女別の離婚理由】

■女性の離婚理由

1位「性格が合わない」38.0%

2位「生活費を渡さない」28.9%

3位「精神的に虐待する」26.1%

4位「暴力を振るう」18.5%

5位「異性関係」12.9%

■男性の離婚理由

1位「性格が合わない」59.9%

2位「精神的に虐待する」21.4%

3位「その他」21.3%

4位「異性関係」12.0%

5位「浪費する」11.5%

※出所:裁判所『令和5年司法統計年報』

 

離婚話が進んでいる間も元夫は加藤さんに金銭を要求。そんな関係を完全に断ち切るためにも、そして都会のほうがシングルマザーにとっては何かと都合がいいと考え、上京することを決意しました。