40年近く、都会の波に揉まれた働いてきた会社員。定年後は、静かな田舎や郊外で暮らしたい……そんな思いを抱いている人も多いでしょう。実際に夢を実現する人も珍しくはありません。しかし、実現した夢が理想通りかといえば、そういうわけではないようです。
〈年金月35万円〉〈退職金3,600万円〉の定年夫婦、千葉・南房総で田舎暮らしを始めるも大惨事。原因は右隣に引っ越してきた賑やかファミリー「もう、いい加減にしてくれ!」 (※写真はイメージです/PIXTA)

静かで穏やかな日常が一変。田舎暮らしで遭遇する、まさかの「騒音トラブル」

定年後、思い描いていた田舎暮らしを実現させた清水夫妻。ただ突如として、穏やかな生活は崩壊したといいます。きっかけは、清水夫妻の右隣に引っ越してきた40代くらいの夫婦と、小学生の子どもが2人というファミリー。

 

――庭・畑を挟んでの右隣なので、都会の感覚でいうと、3軒隣くらいなんですが……とにかくうるさいんです

 

育ち盛りの子どもがいるのだから、多少、騒々しいのは仕方がないこと。清水夫妻も、当初は、元気な子どもたちの姿を微笑ましくみていたといいます。しかし家族全員がアウトドア好きなのか、庭にテントを常設し、子どもたちは毎日キャンプ気分で夜まで騒ぎ散らす。さらに交友関係が広いのか、休日には多くの友人が訪れ、朝から夜までバーベキュー三昧。音楽をかき鳴らし、まるで外国映画でみかけるガーデンパーティのような光景が繰り広げられます。

 

――休日前には「うるさくなるけど、すみません」と断りに来てくれる常識人ではあるようなんですが……事前に断ればいい、というようなレベルではないんですよね。本当、いい加減にしてほしい、穏やかな毎日を返してほしい、そんな気持ちでいっぱいです

 

いっそのこと、一緒に楽しんだらいいのかもと思いましたが、夫妻が憧れていたのは、静かで穏やかな田舎暮らし。「元気に楽しく、田舎を楽しみましょう!」というアクティブなものではありませんでした。

 

【近隣トラブルの経験について】

Q.これまで近隣トラブルを経験したことはありますか?

経験あり…24.4%

 

Q.具体的なトラブルは?

騒音トラブル…70.0%

マナー…11.0%

迷惑行為…5.0%

※出所:株式会社ヴァンガードスミス

 

都会の喧騒を離れた田舎暮らしに憧れる人は多いものの、田舎であれば(文字通り)静かな環境のなか暮らせるとは限らないようです。清水夫妻、「これであれば、東京での暮らしのほうが静かで穏やかだった……」とため息がもれる日々。再び、都会に戻るかどうか、悩んでいるといいます。

 

 

[参考資料]

内閣府『令和6年版高齢社会白書』

株式会社ヴァンガードスミス『【6月18日は防犯の日】近隣トラブルに遭った経験はありますか?3人に1人(36.9%)が身の危険を感じたことがあると回答。近隣トラブルの事件化を防ぐ「新たな防犯」とは』